「人間関係の心理学」 オンライン&リアルのトラブルを回避  

 

この本はすごく役に立つことが書いてある本なのだがイラストが多用されていて

軽いタッチなのでそんなふうには感じられない。

 

いつでもどこでも他人と自分の比較ができるSNSの存在によって自分の存在価値を

低く感じてしまうというのはすごく納得。そして近年は自尊感情が低い人が多いという。

自尊感情を高めるには人の評価を気にせず

欠点は魅力の一つと理解し、自分の武器を伸ばすなどしていくのがいいらしい。

自分には価値があると認めることが大切。自尊感情は高ければいいというものでは

ないと書いてあったのも良かった。ありのままの自分を認めると。

 

人は何度も見ると好きになるので相手と仲良くなりたいならできるだけ頻繁に

会うことが大切という。でもこれは好きでも嫌いでもない相手に限り

嫌いな人は接触回数を増やすと余計嫌いになるらしい。

 

コミュニケーション能力は基本的に人と会わないと低下するという。

会うことで五感をフル活用して相手の繊細な変化を汲み取るので

オンラインでは中々育まれないらしい。

人と会うのは億劫ではあるがそれを面倒がっていると人間として

ヤバくなるのね。

そして仲良くなるにはやっぱり「挨拶」

「自分から」、「立ち止まってお辞儀」、「はっきり発音」を気をつけて挨拶。

挨拶は人に好かれるための基本で間接的にも自分の心を磨くという。

 

仲良くよくなる必殺テクの一つが「褒める」ということ。

それにもやり方があり「すぐに褒めずに2回目以降に褒めると信頼が増す」ということや

「小さいことからどんどん褒める」「具体的に褒める」「相手が否定したらいえいえと

再度褒める」など具体的なテクがある。

 

なぜか攻撃されやすい人の特徴というのもためになる。

怒りという感情は主に自分の思い通りにならないときに発生するというのは大納得。

攻撃されやすいタイプとして「期待に応えてくれない人」「自信満々な人や偉そうな人」

「その他目立つ人など」と分類。

期待に応えてくれないという中には「自分の思い通りになりそうな弱さがあるのに

自分の思い通りにならない」などから相手に怒りの感情を抱いたりするらしい。

これを防ぐためには最初から弱そうに見られないようにする工夫が求められるという

のがすごく役に立つヒントと感じた。

ここからネットでの炎上が起きる構造やそうなる人たちのタイプの分析なども

的確にされていて興味深い。

 

相手に物を頼むときには名前を呼ぶというのが必須という。

人が喜ぶ褒め方にも男女差があり男性は誰かと優劣をつけることで喜ぶ傾向が強く

人前で称賛すると喜ぶ、女性は理解してほしいという気持ちが強く

努力の過程など見えない部分を褒めると効果的というのは当たっている気がする。

 

周囲を魅了する人に変わるには「イメージを大事にし」「相手に関心を示し」

「相手を責めない」。

イメージという点では笑顔を大切にするということ。

人は自分に興味を持ってくれる相手に自分も興味を持つというのでこれも

自分に言い聞かせなくては。

 

この本はどこを読んでもかなりしっかりとした実践的な内容で

ためになるのだが情報量が多くて一回では消化できないが

またしばらくしたら読んでみたい本だった。