2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「ブラフマンの埋葬」 小川洋子

ある出版社の社長が無償で芸術家達のために仕事場を提供しようと死後別荘「創作者の家尾」を遺し、その管理人をする僕の元に、ある日怪我をした動物がやってくる。 そこに通って製作を続ける碑文彫刻家に「ブラフマン」と名づけられ、僕はこっそりブラフマン…

「モテたい脳、モテない脳」阿川佐和子 澤口俊之

以前、竹内久美子の本が面白くて何冊か読んだことを思い出す。 この本に書いてあるのも、人間は遺伝子に繰られて生きているということが、基本になって話が進んでいる。 私が「忙しいと忘れっぽくなる」とずっと思っていた疑問が解けてすっきりだ。次々に新…

「空色勾玉」荻原規子

神々が地上を歩いていた太古の日本で、「闇」の一族と「輝」の一族が争っていた。平凡な村娘として養父母に育てられていた狭也は、憧れの「輝」の宮の采女として神殿に上がるが、同時に実は「闇」の一族の大切な巫女の「水の乙女」であることを知らされる。…

「松村公嗣展」

銀座松坂屋で開催中の松村公嗣展を見に行く。 はじめて見たが、人物がは黒い線ではっきり描写され力強く生命力がみなぎっている。でもなんとなくマンガ的な印象を受けるような、本の挿絵のような・・いや、すごくいいけど。 学生の頃の作品も出されていたが…

「白いへび眠る島」 三浦しをん

高校最後の年、悟史が久しぶりに帰省した拝島には今でも古いしきたりが残る。13年ぶりの大祭で高揚する空気の中、禁忌の怪物「あれ」が出ていると噂が立ち、悟史も見かけたような気がして心がざわめく。特別なつながりを持つ「持念兄弟」の光市とともに「…

「真夜中の五分前 side A」 本多孝好

いろいろなことに執着しないで、どうでもいいと思っている「僕」は、ヘッドハンティングで引き抜かれた恐ろしく仕事が出来る女性上司小金井とも唯一良好な関係を部内で保っている。彼女は自分にも他人にも厳しく社内は敵ばかりだ。仕事も恋愛も適当にこなし…

「狂骨の夢」 京極夏彦

ある海辺で金色の髑髏が見つかる。またしばらくすると別の髑髏が見つかるが、さらに別のが発見されたときは、だんだんと人間に近い姿になってきていた。 その海辺近くに住む、ある作家とその妻。妻は神経症のようで、自分が人を殺して首を切る夢を繰り返し見…

「ムーンチャイルド」

近未来の中国の端っこみたいな東洋の街は、日本からの貧乏な移民たちがたくさん住んでいた。その街で吸血鬼のハイドと出会った幼いガックンは一緒に暮らすようになり、ヤクザの闘争に巻き込まれかつて仲間だった友人が敵になり・・・なんだかガックンのやり…

「恋文日和」

DVD

クラスで目立たない女の子が、見た目怖そうな男の子の意外に純情な内容のラブレターを拾ったことから、文通のようなものが始まる「あたしをしらないキミへ」、母親の恋人にレイプされ、家出同然の女の子といかにも健全そうな素直な男の子の交流を雪国を舞台…

「恋愛小説」 森淳一監督 金城一紀原作

小さな頃から親しくした人たちが両親も含めて次々と病気や事故でなくなっていく運命の聡史はいつしか死神と呼ばれて、他人と距離を置いてしか付き合わなくなった。親が遺産をたくさん残してくれた彼の遺産管理のための遺言状を作る手伝いをするはめになる大…

「真夜中の五分前 side B」 本多孝好

双子の姉妹で一緒に旅行したスペインで列車事故にあい、僕の恋人かすみは亡くなり、もう一人のゆかりは生き残り、恋人であった尾崎と今は結婚している。だが日を追うにつれ、ゆかりは実はかすみだったのではと疑惑を持ち、尾崎はたまらなくなる。二人の関係…

「4TEEN」

DVD

原作に近いイメージでドラマ化されている印象だ。男の子たちもみんな素直でかっこいい。 時間が限られていて仕方がないせいか、ジュンの影が薄かった。自転車で渋谷に行くシーンでは銀座の歩行者天国では、自転車を降りておしていたりして礼儀正しいみんな。…

「ピアニスト」

たんなる甘美な恋愛ものかと思ったら、なんだか怖いお話だった。ピアノ教師のエリカが、個人リサイタル(サロンコンサート?)で演奏したのを見て感激したワルターは、大学の専門は違うのに、ピアノの才能のある彼は彼女のクラスを受けることに。彼女に魅了…

「ゆめつげ」 畠中恵

この本の主役の弓月はまさにそのタイプのヒーローだろう。貧乏神社の神官兄弟の兄、弓月はぼっとして頼りないが「夢占」が出来るとの噂を聞き、ある金持ちの札差の青戸屋のいなくなった息子探しを頼まれ、しっかり物の弟信行と白加巳神社という高い社格の神…

「クロス」

DVD

脚本・監督 大森美香の名前に引かれてツタヤで借りてきた。日本の近未来、国民の知能を上げるため、文部科学省主導でクロスワードをランダムに国民に解かせ、不合格者は人格を取り上げられる。ある読書依存症の引きこもりの男の子(RIZEのvocalの金子君)が…

「自分のまわりにいいことがいっぱい起こる本」 原田真裕美

オノ・ヨーコの推薦とかあったから、すごく興味を持って読んだのだが、なんとなく混乱した。今まで読んだり聞いたりした話と違うように感じたからだ。 たとえば、「つらいことがあっても自分にとって何かを学ぶチャンスだから逃げずに立ち向かえ」とか言われ…

「人のセックスを笑うな」 山崎ナオコーラ

磯貝の通う美術専門学校の講師をしているユリは、やる気のあるのかないのかわからないような、まったりとした所が生徒にも人気で、彼よりも20歳も年上の女性だが、ある日みんなの飲み会に彼女が参加したキッカケでつきあうようになる。 磯貝がモデルとなって…

「狂気の桜メイキング」

DVD

まあこんな感じで作ったのだろうという内容だった。 渋谷のゲリラ撮影にはちょっとドキドキ

「シーセッド・ヒーセッド」 柴田よしき

おまえ今、俺のこと、ケチなオカマ野郎とか思わなかった? ほら、今は、どうせ俺は単細胞だよ、なんでいちいち俺に構うんだこのタコ、とか思ってるだろ? と、すっかり練ちゃんに心を見透かされるくらいわかりやすい保育園の園長で探偵の花咲慎一郎のシリー…

「永遠のマリア・カラス」 ゼフィレッリ監督 ファニー・アルダン主演

声が出なくなりもう歌えなくなったカラスの元に、昔馴染みのプロデューサー(ジェレミー・アイアンズ)が訪ねてきて、全盛期の声を被せて映画を撮ろうと提案する。重い腰を上げ「カルメン」を撮るカラスに昔の歌声を乗せた映画はすばらしい出来になる。新た…

「家守綺譚」 梨木香歩

亡くなった同級生の家が一家で引越しをすることになり、その家守を頼まれた作家志望の貧乏な征四郎が、出会う不思議な物語。庭のさるすべりに恋されたり、なくなったはずの同級生高堂が訪ねてきたり、なんとなく拾って居ついた犬のゴローもちょっと不思議な…

「ジーナ・K」

伝説のストリッパー、カトリーヌ(石田えり)の娘、カヤノは母を憎み反発している。彼女の歌の才能を感じた宮本は、ストリップ小屋をライブハウスに変え、毎晩彼女のライブを繰り返すうちに、ジーナ・K(カヤノ)は有名になり、ライブも大盛況。毎晩同じ内…