「花葵」 保科順子

 

花葵―徳川邸おもいで話

花葵―徳川邸おもいで話

 

 慶喜後の徳川宗家家達の孫保科順子の徳川邸思い出話。

 

叔母たちにも昔話を聞いて明治、大正、昭和初期あたりまで。

色々興味深いしきたりや生活ぶりが覗ける。

江戸城を思えば質素な生活だろうがやはり華族の暮らしぶりだ。

それでも公家と違い武家質実剛健のようだが・・

 

会津藩の様子とは違って明治になっても虐げられているようには見えない。

明治になっても天璋院が相変わらず力を持っていたようだ。

「ザ・ロイヤルファミリー」早見和真

 

ザ・ロイヤルファミリー

ザ・ロイヤルファミリー

 

 朝日の書評でブレイデイみかこさんが推薦していたので興味を持ち読む。

 

馬たちの大河ドラマという感じで、すごく面白かった。

一つのドラマが終わっても何度もクライマックスが訪れずっと興味を

そそられ、読んだ後はすごく満足感が得られる。

馬主の世界とかには興味がなかった私だが、面白かったし

馬の世界にも様々なドラマや人生があるのだなと感慨深い。

「<あの絵>のまえで」 原田マハ

 

〈あの絵〉のまえで (幻冬舎単行本)

〈あの絵〉のまえで (幻冬舎単行本)

 

 絵画をモチーフにした短編集。

香り高くほろ苦いコーヒーと上品な甘さの素朴なお菓子のような優しいだけじゃない

お話がいい。ちょっとちくっとする感じ。

 

どの話も嫌な終わり方はしないが特に最終話は明るい希望に心が軽くなる。

「つくられた格差」エマニュエル・サエズ ガブリエル・ズックマン

 

 朝日の書評で興味を持った本。

 

不平等税制が産んだ所得の不平等をアメリカの税制の歴史から読み解く。

 

各国は税金を下げるチキンレースに参加させられている状態なのは納得するが

意外にもグローバル企業の稼ぎを各国政府はかなり正確に把握できているらしい。

だからと言って課税できる分けではない。租税回避などがあるから。

 

アメリカの税金の考え方もちょっと驚く。

政府の主な役割は財産権の保護にあり成長は利益を最大化しようとする企業に

任せるべきでありそのためには支払う税金を最小化した方がいいという考えで

個人にとっては税は単なる損失であり合法的な窃盗と変わらないとか。

累進課税を緩めることにより雇用を創出できるとか。

 

しまいにはJ.P.Morganは税金逃れを指摘され堂々と

「脱税と租税回避は違う。税法の抜け穴を使ってより多くの所得を残そうとしている

だけ。抜け穴を塞ぐのは政府の責任。それをうまく利用する人間に非がある分けではない」

とか。

アメリカ人って本当にいろいろ考えるな。

流石にアメリカ政府もあまりに税金が少なくなるのは痛手だし、そうは言っても

税金は大切だから取りたいと思っているようだが何せ、納税を嫌がる人びとの

かける資金、マンパワー、戦略に対して政府のマンパワーと時間は

限られているからなかなか思うようにいかないのは納得。

 

各国で協力して税制を決めるとかが必要なのだがこの本では

難しいと言われていたが、とうとう最近のニュースでアメリカの高官が

各国に税率に関して協力しあおうと提案していたようでとうとう来たか。

「冷血」 高村薫

 

 

冷血(上) (新潮文庫)

冷血(上) (新潮文庫)

  • 作者:髙村 薫
  • 発売日: 2018/10/27
  • メディア: 文庫
 
冷血(下) (新潮文庫)

冷血(下) (新潮文庫)

  • 作者:髙村 薫
  • 発売日: 2018/10/27
  • メディア: 文庫
 

 合田刑事シリーズ。

歯科医一家4人を強盗殺人の犯人ふたりはネットで犯罪仲間を募って知りあった。

二人共定職についていたり妙に真面目な点もあったり、殺人までを起こしそうな

犯罪者には見えない。だが何かのスイッチで人生が変わる。

意外にも工芸品が好きで美術館に行ったり読書家だったり

きちんとした文を書いたり・・

このきっかけ、スイッチに関してはドラマMIU404でも盛んに言っていたな。

 

義兄とのシーンがあまりなくて残念

 

くさらない「イケメン」図鑑 吉田潮

 

 

くさらない「イケメン」図鑑

くさらない「イケメン」図鑑

  • 作者:吉田潮
  • 発売日: 2019/06/26
  • メディア: 単行本
 

 吉田さんのドラマ批評は面白くて好き。

これはイケメンに着眼したエッセイ。

これも面白い。

 

 

「逆ソクラテス」 伊坂幸太郎

 

逆ソクラテス (集英社文芸単行本)

逆ソクラテス (集英社文芸単行本)

 

 学生や子供たちの話。

いい話が多く落ち着いて読める。

登場人物がクロスしているのは毎度のことながらわかりづらい私。

 

正しいことは報われるという勧善懲悪がベース。

威張りンボの男の子のじまんの大企業勤めのおとうさん、いつも貧乏たらしい

男のお母さんがバリキャリでクライアントなのは爽快だ。