2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「鳥類学者のファンタジア」 奥泉光

ジャズピアニストの池永希梨子(通称フォギー)は、 リサイタルの途中に出会った黒い衣装の女性が 昔ドイツで失踪したピアニストの祖母・曾根崎霧子では ないかと思い当たる。まだ若いその女性は 「あなたがオルフェイスの音階を知っているなんて」と 意味深…

「王は踊る」

ルイ14世に仕える宮廷音楽家リュリの一生を描く。幼くして王位についたルイは実権は母や宰相に握られており もっぱらダンスや芸術に現をぬかす日々。 だんだんと王の寵愛を受けリュリは宮廷音楽家として頭角を現し モリエールとともに、芸術活動を牛耳ってい…

「絵島生島」

TV

ケーブルで有馬稲子と片岡孝夫の「絵島生島」が やっていたので、見てみる。最近映画化されて宣伝されていた「大奥」では 仲間由紀恵が絵島をやっているが、 こちらはぐっと大人風といった感じか。 町暮らしから大奥に上がった絵島がどうやって のし上がった…

「エグゼクティブ・ディシジョン」

テロリストにハイジャックしたジャンボ機。そのテロリストは 生物化学兵器も搭載してワシントンに向かっている。 乗客とアメリカを救うために、軍の特別機に乗り込むSWATと 情報分析官、エンジニアたち。ところが肝心のSWATの隊長が 軍機からジャンボ機に接…

「押入れのちよ」 荻原浩

ちょっと怖い話の集まった短編集。タイトルからして押入れのちよが全部出てくるのかと 思っていたが、それぞれは別の話で、しかも 和風な話ばかりではない。 戦後間もない中国で暮らすロシア人の女性と二人の娘の話や 憎みあう夫婦がお互いを殺そうと画策す…

「塗仏の宴 宴の支度」 京極夏彦

戦前に駐在した山奥の集落が住人ごと消えてしまったと その調査を関口に依頼してきた元警官。 集団殺人の小さな地方記事。 沼津の海辺で暮らす朱美の前に現れた自殺を繰り替える男。 不思議な女占い師と出会った敦子は変な男たちに襲われ、 ストーカーに自分…

「天の夕顔」 中河興一

京都の大学生をしていた「わたくし」が出会った7歳年上の女性。 彼女は結婚をしていて、姉弟のように仲良くなっていったが、 いつしか恋愛感情に変わっていった。 彼女も彼を愛しながらも結ばれることは不可能と拒絶をするが、 また何年かしては、彼も彼女を…

「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」

稀代のチェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレの短く波乱の人生を描く。 ヒラリーとジャクリーヌの姉妹はお互いが分身のように 仲がよく、小さなころから音楽に親しみ、 ヒラリーはフルートで、ジャクリーヌはチェロで 才能を発揮していくが、ジャクリーヌが…

「めくらぶどうと虹」 宮沢賢治

めくらぶどうと虹作者: 宮沢賢治,近藤弘明出版社/メーカー: 福武書店発売日: 1987/10メディア: 大型本この商品を含むブログ (1件) を見る パステルカラーの絵本で読んだが 中々に難しい内容だ。大空に出た虹にあこがれるめくらぶどう。 一緒になれたら死んで…

「N響オーチャード定期 第42回」

指揮 シャルル・デュトワ ピアノ ユージャ・ワン 曲目 序曲「海の静けさと幸ある航海」op.27 メンデルスゾーン ピアノ協奏曲 第二番 変ロ長調 op.19 ベートーベン 交響組曲「シェヘラザード」 op.35 リムスキー=コルサコフ フルオーケストラとはこんなにチ…

「きつねのはなし」 森見登美彦

ナツメさんという女性が病気の母親の代わりに営む 京都にある小さな骨董屋「芳蓮堂」でバイトをしている 学生の武藤。彼はある日お得意先の天城を訪ねる。 天城は薄暗い竹林に囲まれた屋敷で、本人もどこか 生気がなく不気味な印象だ。ある日自分のミスで 壊…