2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「海峡の光」 辻仁成

青函連絡船の客室係を辞め、函館少年刑務所の刑務官となった私の前に現れた受刑者は、かつて正義感あふれる優等生然としながらも陰湿に自分をいじめていた同級生の花井だった。圧倒的に強い現在の自分の立場に満足と喜びを覚えながらも、花井のことから目が…

「若沖と江戸絵画展」 東京国立博物館

ART

江戸絵画には興味がまったくなかったが、雑誌で若沖の特集を見たりしていたのに加え、友達が行って面白かったというので行ってみたが、大変満足した。 屏風なんて丸きり興味なかったが、季節が右から動いていく様や、二つの屏風で春夏、秋冬を描き分けたり、…

「スープ・オペラ」 阿川佐和子

幼くして叔母である「トバちゃん」に育てられたルイ。洋装店を商い、ルイを育ててずっと二人で暮らしていたトバちゃんは、還暦間近になって恋をして突如家を出て行くことに。一人きりになったルイの住む一軒屋に突然尋ねてきて、いつしかいついてしまった老…

「やっぱりこれで運がよくなった!」浅見帆帆子

どこかで聞いた話ばかりという気もしなくもないが、定期的に読んでしまう類の本。 ・その人のまわりには、その人の精神レベルにふさわしい今年か起こらない。 ・運の良し悪しは自分が作り出しているもので、最初から決まっているわけではない。(日々行いを…

「三四郎はそれから門を出た」三浦しをん

本屋では本の並び順にも目を光らせ、平台に積まれた雑誌が崩れていたら、頼まれもしないの即座に直す。そんな本大好きな三浦しをんの本に関するエッセイ集。 以前朝日新聞でティーン向け書評を書いていて、それで私は彼女の名を知ったのだが、最近その書評を…

「ゼブラーマン」 三池崇史監督 哀川翔 鈴木京香 渡部篤朗

クドカン脚本てことで見てみた作品。 家でも学校でもないがしろのダメ小学校教師、彼は昔の特撮ヒーロー「ゼブラーマン」が大好きで自分で裁縫をしてコスプレをしてひっそりと楽しんでいた。ある日その姿で外出したときにたまたま出会った悪者を退治すること…

「クライマーズ・ハイ」

TV

日航ジャンボ墜落事件を取材する群馬の地方新聞社、過去取材がらみで部下を亡くして以来、出世もせず一記者として過ごしていた悠木(佐藤浩市)に全権デスクを任された。報道とは新聞とは何かを考えさせる。 クライマーズハイとは、登山者が急に恐怖心などが…

「美女入門part3」林真理子

dietに成功したりリバウンドしたりして、でも痩せたおかげで洋服が似合いその喜びに満ちたエッセイ集。今回もセレブなみなさんとの日常ライフが読んでいて楽しい。 だが、彼女の鋭い観察が今回もさえていて面白い。その中で私が「なるほど!」と思った内容を…

「そして、警官は奔る」日明恩

人身売買で手に入れた小さな東南アジアの女の子を飼っているのを見つけられ逮捕された男。彼の家からは幼児ポルノがたくさん発見された。女の子の母親を捜し、幼児ポルノのビデオに写る子供たちを捜し始める警官の武本とは「冷血」というあだ名の和田がコン…

「カミーユ・クローデル」府中市美術館

春に軽井沢でカミーユ展があり、どうしても行きたかったが、府中に来るというので待っていた。 初めて府中に行ったが、けやき並木から木漏れ日が漏れて夏の日のさわやかな美しさにちょっと感動。そして美術館の周りにも緑が豊富で立派な公園がありここでも感…

「ローレライ」

原作が面白かったので見てみたが、話がかなりはしょられており(映画化の場合はだいたいがそうだが)、私の大好きな朝倉大佐があっさりとあんなふうに死んでしまって、それ以後は急に興味を失う。 戦闘シーンが主でそればっかりの印象。フリッツも出てこない…

「うそうそ」畠中恵

箱根に湯治に向かうことになった若旦那に松之助、そして仁吉と佐助がお供することになったが、途中の船の中から手代の兄や達が消えてしまう。心細いうえに誘拐までされてしまった若旦那達。でもいつまでたっても兄や達はいつもと違って助けに来ない。兄やた…

「幸せになるためのイタリア語講座」

それぞれに私生活で悩みを抱える大人たちがイタリア語講座をきっかけにだんだんといい方向に生活が向いていく。(はしょりすぎ?) 妻を亡くしたばかりで新しく赴任したばかりの牧師、年をとって病気になり、わがままになった親に手を焼き、仕事も不器用でう…

「白洲次郎」 白洲正子、朝吹登水子他

白洲関連本を2冊読み、明石家さんまの白洲特番を見た私は、「オイリーボーイ」もブカッティもPLAY FASTも新しいものはあまりない。 写真も見たものが多かったが、いろいろな人から彼の人となりを表すエピソードを聞くのはやはり興味深い。その中で、同じ話…