「教養としてのラテン語の授業」 ハン・ドンイル

 

近所の図書館のおすすめにあって興味を持った。

著者は韓国人でバチカン裁判所の弁護士。イタリア語やキリスト教、法学に加えて

ラテン語の勉強など本当にすごい。

韓国でラテン語の授業がすごく人気になってそれをまとめた本。

 

昔ヨーロッパの映画を見ていると頻繁にラテン語の授業に辟易している

学生たちが出てきて相当大変な言語なんだろうと思っていたが

やはりラテン語で述べられたものは何でも高尚に見えるというのは同感。

すごく教養が高く見える。

 

元々ラテン語インド・ヨーロッパ語族の影響を受けているそうだ。

サンスクリット語ラテン語にも影響しているというのも驚いた。

西洋哲学を語る上で欠かせないプラトンストア哲学がそのルーツを

遡ればインド思想につながるというのは新鮮な驚きだった。

現在の世界は欧米中心で動いているが人類の歴史から見るとその時期は

ごくわずかということらしい。

 

「知識があればそれだけ世界を見る解像度があがり物事がよく見えるようになる」

「自分を客観的に見つめると同時に外部の情報を受け入れる寛容さをもつ」

という言葉は勉強の大切さを感じた。

 

ラテン語の話なのでキリスト教の話やローマ帝国の話などもよく出てくるのだが

このタイミングで塩野七生のインタビューをたまたまネットで見た。

彼女が会社員と違い小説家は男女の賃金差がないと言っていて

彼女でさえも男女の賃金格差に関心があったのだと驚いた。

そして彼女の小説を久しぶりに読んでみたくなった。