シーレはあまり期待していなかったのだが思った以上に面白い展覧会で
大満足だった。
ポスターに使われている「ほおずきの実のある自画像」の絵を見ると
ジェラール・フィリップを思い出す。
今回の展覧会はレオポルド美術館の所蔵作品が中心でクリムト、ゲルストル、
ココシュカなども展示。
その中でカール・モルが特に気に入った。
最初に風景版画が3作並んでいたが茶色の色調で統一され細かい描写も
美しくすごくいい。(「テレーズ・クロネスの家」「自転車に乗る人のいる郊外の風景」
「ハイリゲンシュタットの聖ミヒャエル教会」)
彼の絵画もよく「シェーンブルン」「冬のホーエ・ヴァルテ」もよかった。
彼以外ではストールの「湖畔の二人」は湖を眺めている男女の後ろ姿だけなのだが
何となく心惹かれた。
クリムトの絵もいかにものキンキラでないものだったがやはりいい。
アルビン・エッガー=リンツの「祈る少女 聖なる墓、断片II」も良かった。
シーレの風景画もシンプルな線で面白い絵。「モルダウ河畔のクルマウ(小さな街IV)」
なども絵本の絵のような可愛らしさを感じる。
美術館は今も事前予約が必要である意味面倒ではあるのだが
いぜんのような大混雑にはなりにくいのである意味快適だ。
そしてとても楽しめた展覧会だった。