川瀬巴水・吉田博・伊東深水 世界を魅了した木版画という見出しがついているが
実に満足度の高い展覧会だった。
美術館に行きたくてネットで探していて見つけた。
ここの美術館は以前来たことがあったはずだがすっかり行き方を忘れてしまった。
しかも近づく台風の影響で時折ゲリラ豪雨が降る中美術館まで歩く。
美術館の中でも雷のような音が遠くで聞こえたからかなりの天気だった。
私は版画やエッチングなどがやはり好きなんだと再確認。
それにしてもこんなに細かい絵をどうやって擦って色をつけるのかと
とても不思議だ。色がずれたりしそうだが。
新版画とは江戸時代の浮世絵版画の技と美意識を継承すべく大正初年から昭和の初めに
かけて興隆したジャンルとのこと。
確かに新しい感じがする。
伊東深水は美人画も素敵だが「近江八景」シリーズもとても気に入る。
意外にも外国人の描く日本画の版画も多くとても面白かった。
エリザベス・キースはアジアの風景を描きエキゾチックでいいし
なんと言っても写真の「藍と白」は本当におしゃれ。着物や帯の柄、小物の
傘、皿、絵画、暖簾から木々の日陰の色までさまざまな藍色を駆使して描く。
夏の暑くて涼しい感じがとてもよく伝わる。
そして美人画は着物の柄やくし、髪飾り、小物などが本当にどれもおしゃれで
見ていて楽しい。
吉田博の絵は見慣れていると感じたが美術館で見た覚えはない。
カレンダーなどで見たのだろうか?
改めてみるととても美しく迫力があり見入ってしまう。
そして意外にもかなり昔の人で大正時代にアメリカやヨーロッパに
出かけて作品を描くなどどんな人だったのかと興味も湧いた。
最後のあたりに置いてあったバーサ・ラムもアジアのエキゾチックな版画を描く。
その中で作品そのものでなくwoodcutに色をつけたものが展示されており
むしろそちらの方がアクセントが出てよりおしゃれで面白く感じた。