なんとなくもう一つ美術館を梯子したくなりここへ行く。
プラドはマドリッドで行ったし、深く興味を惹かれたわけではなかったがサイトでは
おすすめされていたし、位置的にも行きやすかったのでここにしたが大正解だった。
プラドと言えば、昔読んだジョルダンの小説でもっとも盗みに入りにくいセキュリテイのしっかりした美術館という印象が作品の印象より上な私。
今回はでも小さ目の作品が多かったが大いに楽しめ、期待以上だった。
展覧会の混み具合もまあまあで、よかった。
ベラスケスもゴヤもエル・グレコもあったが、一番気に入ったのは
マリアノ・フォルトゥーニ・イ・マルサルだった。
彼のことはよく知らなかったが、自分の幼い娘たちを描いた
「日本式広間にいる画家の子供たち」という絵画がとても好きになった。
全体的に水色で明るく色彩も美しく構成も面白くしばらく見入ってしまった。
同じ画家の「フォルトゥーニ邸の庭」は鮮やかな日傘を差し立つ美しい女性を
描いたものだがこれにも惹かれた。
ルイス・バレート・イ・アルカーサルの「眠る若い女」も小さな作品だが、寝ている女性のドレスの動きや色合いなど目を惹かれてしまう。
猫の頭部を描いたフランシスコ・ドミンゴ・マルケースの「眠る猫の頭部」も
頭に集中した構図の面白さと毛並の柔かさの描写とかとても面白い。
端や果物などの静物画も面白かったが、ムリーリョの描いた「ロザリオの聖母」という
若く美しい母親マリアと赤ちゃんのキリストがまっすぐに正面を見つめる宗教画も
ハッとする絵画だった。
やはりこの美術館は好きだ。
都会のど真ん中なのに緑が多い環境もいいし、建物の装飾や選ぶ展示も含め
いつもはずれがない。