とても面白かった。
館内の混み具合も自分のペースで見れるくらいで実にいい。
やはり私はこのあたりの絵が好きなんだと感じる。
どの絵も色が鮮やかで緑が濃く美しい。
彩美しい花々やドレス、とにかく色が目を惹く。
今回の展覧会に来ようと思ったきっかけはミレイの「ブラック・ブランズウィッカーズの兵士」という兵士と白いドレスの女性が抱き合う官能的な絵だったが
本物は思ったほど気に入ったわけではないが、他の作品がとてもよかったので
大満足だ。
ダニエル・マクリースの「祈りの後のマデライン」は穏やかで美しい娘の
夜の部屋の地味なものに見えて実は恋人がクローゼットに忍び込んでいるのが
とても官能的だ。
アーサー・ハッカーの「ペラジアとフィラモン」は大地に横たわる女性を
それを見つめる暗い男性、多くの色を使わず全体的に茶色なのに
女性がとても美しく見えこれもまた色っぽい。
ローレンス・アルマ=タデマの作品は気に入るものが多かったが
「お気に入りの詩人」は大理石に寝転ぶ女性とその前で座って読書を
する女性の絵だが、細部まで凝った装飾が描きこまれ、色も
派手ではないものを多用しているが実に美しい。
「コーディリアの分け前」はフォード・マドックス・ブラウンのものだが
人々の表情が意味ありげで奥深い。
バーン=ジョーンズの「フラジオレットを吹く天使」と
ウォーターハウスの「エコーとナルキッソス」も好きだったし、
ジェイムス・ハミルトン・ヘイの「流れ星」は音のない世界で
雪を踏む音さえも聞こえそうな静寂に目を惹かれ
画面のほとんどが星空というのも斬新で面白かった。
ラファエル前派の絵は金色の絵の具やラメを使ったものも多くて
華やかで美しく、色鮮やかな草花や風景、海も地中海のような
あかるい青で見ていて華やかな気分になってよかった。