「合う」のメカニズムを科学する 影響し合う「あなた」と「わたし」の心理学 阪口幸駿/富田健太

 

内容は柔らかそうなのに意外に科学している本。

「合う」をテーマに複数の学者が各章を書いている。

 

赤ちゃんの視力は生まれてすぐには0.02程度しかないということや

赤ちゃんの笑顔は生理的微笑という筋肉の動きというのは驚きだ。

その微笑により養育者や親は喜びを感じ可愛いという感情が出てきて世話をする。

 

目の話も興味深い。「相手に見られることによって認知や行動が変化する」

人間の目の写真などが貼ってあると悪いことをしにくい傾向になるなどの話は

華麗なるギャツビー」の映画を思い出す。

でも多数の人がいる場面では偽物の目の効果は薄いらしいが。

すでに多くの目にさらされているから視線の効果が薄くなるのだろうとのことらしい。

 

評価の話もおもしろい。他者の評価を見て自分の評価を変えることについて。

他者に合わせて自分の評価を動かした時の脳の活動は美味しいものを食べたり

お金をもらったりといった報酬の処理に関わるとされる脳の反応があるそうだ。

流行るものがますます流行るというのはこの傾向によるのだろうか?

 

人は自分を少し過大評価し、少し個性的と思いながらも極端な少数派に

なるのは嫌がる傾向にあるようだ。

(重度でない)うつ病の人は世界の認識がより「正確」で、うつ病でない健康な人は

世界を「ポジティブに」歪んで認識しているという報告があるそうだ。

自分はそこそこやれているというポジティブ幻想が持てなくなる時に

人は精神的な健康を保てなくなるのかもというのは納得。

 

映画「ショコラ」

 

ジュリエット・ビノシュが綺麗で色っぽい。

市長の秘書をやっている女性はおしゃれだったが基本的に

村の女性たちは色も地味で冴えない格好、靴も黒だがその中でビノシュは

カラフルで赤のパンプスを履いていたりする。必ずウエストが絞られた

シルエットがポイントだ。

昔らしく女性蔑視なシーンもあり辛い内容もありつつ最後はハッピーエンドで

良かった。

「猿若祭二月大歌舞伎」 歌舞伎座

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「僕らの時代」に七之助が出ていてこの歌舞伎公演を知り仁左衛門さんが

お出になるので急に思い立って見にいくことにした。

今回のお目当ては「籠釣瓶花街酔醒」

勘九郎は本当に父親そっくりの声と芝居で錯覚しそうになるほどだ。

そして仁左衛門さんの見目麗しさ・・とてもあのお年とは思えない

スタイルと姿勢の良さ。最近は割とやる役が決まっている感じだったので

クズのタラシが可愛くて嬉しい。

七之助玉三郎を彷彿とさせる。

 

雨だったせいか日曜だったせいかわからないが地下の自動発券機がすごく並んでいて

びっくりした。そして音声ガイドはいつの間にかdepositがなくなっていた。

以前は公演終了後に千円札をたくさん握りしめてスタッフの皆さんが

払い戻ししていたなあ・・

 

ロビーには勘三郎の写真とお香があった。

まだ最近のことのように思えたな。

「新しい出会いなんて期待できないんだから、誰かの恋観てリハビリするしかない」

 

 

ジェーン•スーと高橋芳朗によるラブコメ映画対談なのだが、視点もフェアで観察も鋭く面白い。アメリカのカルチャーにも通じているようで映画の背景などの補足説明も勉強になる。肩肘張らずにジェンダーにも言及しておりその点もいい。

ブコメ映画がたくさん紹介されていて、読んでいるととても観たくなる。「キューティ•ブロンド」は特に興味惹かれた。「ロング•ショット」は観たはずだがもう一度復習したいし、「アバウト•タイム」「ハート・オブ・ウーマン」「あなたが寝てる間に…」「恋愛適齢期」などみたくなった映画てんこもりだった。

「アイフィールプリティ」も必ず観る!

「才女の運命 男たちの名声の陰で」 インゲ・シュテファン

 

才女の運命

才女の運命

Amazon

 

有名な男性の陰で生きた女性達の物語なのだがみんな才能もあり

ただの良妻賢母タイプでもない。男達も賢しくなく優しい女性を

好ましく思う一方で自分のインスピレーションを湧き起こしてくれるような

手ごたえのある女性にも惹かれていたのだろう。

クララ・シューマンなどはモテモテだったし自分の思う通りに

人生を生きたのかと勝手に思っていたがやはりどの女性も

ある意味虐げられ辛い思いをしていたのだ。

知性や芸術性などの才能があってもそれを活かし切ることはできない。

 

新約聖書で女性の男性への従属が一貫して行われているというのも驚いた。

「すべての男のかしらはキリストであり、女のかしらは男であり、

キリストのかしらは神である。」

女性が男性に従属するべき理由をパウロ

「なぜなら男が女からでたのではなく女が男から出たのだからである。

女が男のために造られたのである」

欧米の主要宗教でこのような教えがあるということはみんなの心の奥に

植え付けられた考えといえだろう。

 

この本は読んでいて女性達の運命にもどかしい思いがする。

特にカミーユ・クローデルはやはり辛い。

映画「カラオケ行こ!」 TOHO CINEMAS六本木

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野木さんの脚本なので安心してみることができる。

原作は読まずに見にいったので展開を知らず色々と楽しむことができた。

狂児は剛ではないという意見もみたが漫画の絵をみると言われていることはわかる。

何となく昔の大沢たかおとかのイメージ。誰かが長瀬智也とか言っていたが

なるほどそれはあり。つくづく長瀬智也また映画、ドラマ界に戻ってきて欲しいな。

池袋とかすごく良かったし、クドカンとまたやってほしい。

もちろん剛は剛で可愛くていいのだが。前職がヒモというのも納得。

 

ヤクザが出てくるから子供達におすすめはできないだろうが

学校とかで上映して欲しいような映画だった。

 

それにしてもほかのヤクザの歌声を聞いたところ剛がビリになることは

あり得ないと思うのだが、ビリになるとはどういうことか??

だからエンドロールの後のシーンは「だよねー」とはならなかったな。

合唱シーンも綺麗で良かった。私の知らない曲ばかりだが今の子には

有名なのだろうか・・

斎藤潤君の歌う紅はとても良かった。

 

「決めれば、叶う。」 Honami 浅見帆帆子

 

 

吉本ばななのエッセイを読んでいて興味を持った浅見帆帆子の本。

 

思いつくことは叶えられることという考えは最近読んだ「お金の学校」と

同じようなことを言っている。

叶えるステップとしては自分の望みをそうなるとはっきり決めてイメージ、

夢が叶ったときと同じ波動(ワクワク)で日常を過ごし

気持ちを妨げる不要なものを手放し

物事を直感で選びすぐに行動に移す。

そしてすべてに感謝する。

 

鏡に映った自分に対して「私は〇〇になる」と断定形で宣言するという

やり方も書いてあった。

 

周りの人からの扱われ方は自分が自分をどう思っているかの投影というのも

ハッとした。

言葉もエネルギーを持っており、イメージすることで夢は現実になるが

口にすることで現実化がさらに強化されるそう。

できない、無理、お金や時間がない、~すべき、ちゃんとやらないとなどは

夢を遠ざける言葉らしく使わない方がいいらしい。

できるかしら?