有名な男性の陰で生きた女性達の物語なのだがみんな才能もあり
ただの良妻賢母タイプでもない。男達も賢しくなく優しい女性を
好ましく思う一方で自分のインスピレーションを湧き起こしてくれるような
手ごたえのある女性にも惹かれていたのだろう。
クララ・シューマンなどはモテモテだったし自分の思う通りに
人生を生きたのかと勝手に思っていたがやはりどの女性も
ある意味虐げられ辛い思いをしていたのだ。
知性や芸術性などの才能があってもそれを活かし切ることはできない。
新約聖書で女性の男性への従属が一貫して行われているというのも驚いた。
「すべての男のかしらはキリストであり、女のかしらは男であり、
キリストのかしらは神である。」
女性が男性に従属するべき理由をパウロは
「なぜなら男が女からでたのではなく女が男から出たのだからである。
女が男のために造られたのである」
欧米の主要宗教でこのような教えがあるということはみんなの心の奥に
植え付けられた考えといえだろう。
この本は読んでいて女性達の運命にもどかしい思いがする。
特にカミーユ・クローデルはやはり辛い。