「才女の運命 男たちの名声の陰で」 インゲ・シュテファン

 

才女の運命

才女の運命

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有名な男性の陰で生きた女性達の物語なのだがみんな才能もあり

ただの良妻賢母タイプでもない。男達も賢しくなく優しい女性を

好ましく思う一方で自分のインスピレーションを湧き起こしてくれるような

手ごたえのある女性にも惹かれていたのだろう。

クララ・シューマンなどはモテモテだったし自分の思う通りに

人生を生きたのかと勝手に思っていたがやはりどの女性も

ある意味虐げられ辛い思いをしていたのだ。

知性や芸術性などの才能があってもそれを活かし切ることはできない。

 

新約聖書で女性の男性への従属が一貫して行われているというのも驚いた。

「すべての男のかしらはキリストであり、女のかしらは男であり、

キリストのかしらは神である。」

女性が男性に従属するべき理由をパウロ

「なぜなら男が女からでたのではなく女が男から出たのだからである。

女が男のために造られたのである」

欧米の主要宗教でこのような教えがあるということはみんなの心の奥に

植え付けられた考えといえだろう。

 

この本は読んでいて女性達の運命にもどかしい思いがする。

特にカミーユ・クローデルはやはり辛い。

映画「カラオケ行こ!」 TOHO CINEMAS六本木

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野木さんの脚本なので安心してみることができる。

原作は読まずに見にいったので展開を知らず色々と楽しむことができた。

狂児は剛ではないという意見もみたが漫画の絵をみると言われていることはわかる。

何となく昔の大沢たかおとかのイメージ。誰かが長瀬智也とか言っていたが

なるほどそれはあり。つくづく長瀬智也また映画、ドラマ界に戻ってきて欲しいな。

池袋とかすごく良かったし、クドカンとまたやってほしい。

もちろん剛は剛で可愛くていいのだが。前職がヒモというのも納得。

 

ヤクザが出てくるから子供達におすすめはできないだろうが

学校とかで上映して欲しいような映画だった。

 

それにしてもほかのヤクザの歌声を聞いたところ剛がビリになることは

あり得ないと思うのだが、ビリになるとはどういうことか??

だからエンドロールの後のシーンは「だよねー」とはならなかったな。

合唱シーンも綺麗で良かった。私の知らない曲ばかりだが今の子には

有名なのだろうか・・

斎藤潤君の歌う紅はとても良かった。

 

「決めれば、叶う。」 Honami 浅見帆帆子

 

 

吉本ばななのエッセイを読んでいて興味を持った浅見帆帆子の本。

 

思いつくことは叶えられることという考えは最近読んだ「お金の学校」と

同じようなことを言っている。

叶えるステップとしては自分の望みをそうなるとはっきり決めてイメージ、

夢が叶ったときと同じ波動(ワクワク)で日常を過ごし

気持ちを妨げる不要なものを手放し

物事を直感で選びすぐに行動に移す。

そしてすべてに感謝する。

 

鏡に映った自分に対して「私は〇〇になる」と断定形で宣言するという

やり方も書いてあった。

 

周りの人からの扱われ方は自分が自分をどう思っているかの投影というのも

ハッとした。

言葉もエネルギーを持っており、イメージすることで夢は現実になるが

口にすることで現実化がさらに強化されるそう。

できない、無理、お金や時間がない、~すべき、ちゃんとやらないとなどは

夢を遠ざける言葉らしく使わない方がいいらしい。

できるかしら?

「お金の学校」 坂口恭平

 

元々はnoteで発表していたものを本にまとめたものだ。

 

お金についての話なのだが、倫理観の強い人などは読んでいて「ん?」と

なりそうなところもありかなりぶっちゃけと感じたが

これが支持されるのだろう。

 

お金がないと死にたくなる。死にたい人でお金を持っている人はいないと

書いてあり、じゃあお金は大切ねと感じる。

 

印税の仕組みにも言及されていて興味深い。

印刷された分は売れなかろうともらえるようだ。

てっきり売れた分しかもらえないのかと。

彼が画集を出版した時の仕組みや版元との交渉なども

細かに書いてあった。

 

二言目には「大丈夫、きっとうまくいく」と自分に声をかける。

模倣三つ揃えると経済になる(模倣はパクリだが3つ組み合わせると独自になる)

模倣する人を見つける。歴史上の人物でもあり。

ゴールを設定すると自動的にゴールするからゴールを決める。

 

とにかく「経済とは流れること」

ところで彼は子供の頃からうつ病で大人になって自力で治したらしい。

そんなことが自分でできると知れただけで心強く感じた。

「QUITTINGやめる力 最良の人生戦略」 ジュリア・ケラー

 

 

アメリカでも何かをやめるのは敗者、最後までやり遂げろという文化がよしと

されるというのは少し意外だったが日本以上にプレッシャーがあるのかもしれない。

 

著者は大学生の時に超優秀だったが馴染めず大学を思い切ってやめたことから

やめるということの重要性や意味を調べ始めた。

やめるという行為は簡単ではないし、安易にするべきではないことも

多いだろうが、世間で言われるほどひどいことなのか。

 

また人間の身体はいつやめるべきかを教えてくれるようにできている。

遭難信号のように心拍や呼吸数、血圧の急上昇などで知らせてくるそうだ。

そうなったら自分を守るためにやめるべきなのだ。

そこを無視すると過労死などになってしまうのだろう。

 

脳は挑戦することで成長する。ある活動をやめ別の活動を始めると

脳は夢中になり問題解決能力を高めパフォーマンスを研ぎ澄ませ

新たなタスクに取り組む。

人間の脳は定期的かつ戦略的に何かをやめるようにできているのだ。

ただ人間は大きな社会の一員で他からの影響もあり他の動物のようには

考えられないところがあるようだ。

ただし何かをやめなければ新しい何かが入ってくるスペースは生まれにくい。

 

やめることは悪という考えになりがちな現代人に立ち止まって考える機会を

与えてくれる本だ。

やめる必要があるならやめていい。

心と体のシグナルには耳を澄ますべきなんだと感じた。

「みちのく いとしい仏たち」 東京ステーションギャラリー

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ステーションギャラリーに「みちのく いとしい仏たち」を見に行く。素朴な作りの東北の民間仏の展覧会。思った以上に素朴で拙い印象だ。あまりに拙く縄文時代あたりのものかと思うほど。(今回は江戸時代のものが多かった) その分可愛らしさやいじらしさが増すからか、解説文にも愛おしさがひしひし伝わる。中国風の装束のものが意外に多く感じた。聖徳太子信仰もあったと紹介されていたがそんなに遠い東北でなぜ?と不思議だ。また荒削りで南洋あたりで見かけそうな木像のようにも感じた。そんななか突然円空仏が出てきてあまりに洗練されていてまた驚いた。いつもは朴訥とした印象なのに。
一番最後に出てきた如来立像(観音寺)は特に拙い仏像として紹介されていたが、むしろモダンアートのようなスタイリッシュさを感じた。

映画「ウォンカとチョコレート工場の始まり」TOHO CINEMAS日比谷お

すごく久しぶりに映画館に来た。

ジョニデ版も見たのだがいまいちよく覚えていないので

他の人のように思い入れがないせいかとても楽しめた。

ティモシー・シャラメがカッコよく愛らしく歌も踊りもうまい!

孤児のヌードルもめちゃ歌が上手い。

ヒュー・グラントも歌と踊りを頑張っていた。

昔の話設定だから本当は街の住人は主に白人ばかりなんじゃ?と

思ったが色々な人種がいたのは今に配慮か?

ミスタービーンが悪徳司教で出ていて嬉しかった。

見たことのある俳優さんがいたり(ダウントンアビー)

 

見終わった後はハッピーな気持ちになり見にきて良かった。