アメリカでも何かをやめるのは敗者、最後までやり遂げろという文化がよしと
されるというのは少し意外だったが日本以上にプレッシャーがあるのかもしれない。
著者は大学生の時に超優秀だったが馴染めず大学を思い切ってやめたことから
やめるということの重要性や意味を調べ始めた。
やめるという行為は簡単ではないし、安易にするべきではないことも
多いだろうが、世間で言われるほどひどいことなのか。
また人間の身体はいつやめるべきかを教えてくれるようにできている。
遭難信号のように心拍や呼吸数、血圧の急上昇などで知らせてくるそうだ。
そうなったら自分を守るためにやめるべきなのだ。
そこを無視すると過労死などになってしまうのだろう。
脳は挑戦することで成長する。ある活動をやめ別の活動を始めると
脳は夢中になり問題解決能力を高めパフォーマンスを研ぎ澄ませ
新たなタスクに取り組む。
人間の脳は定期的かつ戦略的に何かをやめるようにできているのだ。
ただ人間は大きな社会の一員で他からの影響もあり他の動物のようには
考えられないところがあるようだ。
ただし何かをやめなければ新しい何かが入ってくるスペースは生まれにくい。
やめることは悪という考えになりがちな現代人に立ち止まって考える機会を
与えてくれる本だ。
やめる必要があるならやめていい。
心と体のシグナルには耳を澄ますべきなんだと感じた。