「葵の残葉」 奥山景布子

 

葵の残葉

葵の残葉

 

 高須4兄弟を描いた本で、退屈な時代ものかと思ったが

面白かった。

 

高須の長兄慶勝が主役でストーリーテラーになっている。

人当たりのいい茂栄、そして容保、容保と一緒に京都で

所司代を務めた定敬の4兄弟の幕末、明治の日々を描く。

慶勝が御三家にかかわらず新政府側だったのが

不思議に思っていたが読んでいたら流れがわかる。

 

徳川方にとってはどちらについても大変だったのだ。

 

それぞれの気質も描かれていて、とにかく容保は実直、

定敬は意外にもいろいろなことに興味を持ち好奇心旺盛で

明治になっても活発に動こうとしていた。

 

それにしても当時はあちこちに養子縁組があり、婚姻があり

どこにいってもだれかしか親戚といった感じだ。

 

兄弟たちはそれぞれ尾張様、一ツ橋様(茂栄は一ツ橋家に)、

会津様などと呼び合っていたようだ。

尾張様は大納言と呼ばれ、城内では御前と呼ばれていたようだが

尾張を次いだ人は大納言の地位になるのだろうか?

以前に読んだ山田風太郎の本でも尾張の大納言が出てきたな~。

 

幕末本を続けて読んでみたくなった。