「カラフルライフ」吉成真由美

カラフル ライフ―遅咲きのすすめ
心理学のお話をメインに日米の文化の比較や教育についてを書いたエッセイ。
男女の脳の違いも面白い。たとえば「男の会話は、自分の位置や立場を確立するための、公的なものであり、女のそれは、人間関係をスムーズにするための私的なもの」であると。家では戦う必要がなくリラックスしているので男は無口になる。また男性の脳は左右がアンバランスで脳梁も少ないから、能力が脳の中で偏在するため、特殊能力が高くなる可能性も高い代わりに、事故などで脳の一部に変調をきたすと、回復がむずかしい。片や女性は左右の対象性が高く、脳梁も多いので、左右の脳がよく連絡を取りあっているから、能力が脳の中にちらばっている。したがって特殊能力があまり高くならない代わりに、脳の一部に損傷が起こっても、大した影響がなくてすむことが多い。

ピグマリオン効果」の記述も面白かった。論文では「自分の思い通りの結果を引き出す」という意味で使われるらしいのだが、たとえば先生が「こいつは出来が悪い」と思っていると、無意識のうちに態度や表情でそういう信号をだし、本当に生徒そうなってしまうみたいな話。

ダイエットの項でなによりショックだったのは、アメリカのデータによると、ダイエットをした人の95%は一年以内に、99%は二年以内に、元の体重もしくはそれを上回る体重に戻るということ。ひえ〜。じゃあ人類は太り続けるってこと!?

「星の王子様」の話では、「辛抱強く、時間をその人のために使うことが、友情を育むことになる」ということが書いてあり、ちょっと考えさせられた。もう一度le petit princeを読んでみたくなった。

バケーションの項では、あんなにバケーション好きな欧米人も「バケーション離婚」が多々起こるほど、お互い疲れイライラしたり喧嘩をすると聞いて安心した。どこでも一緒ね。ただし人間は一か所に長くいると、どうしても慣れがでてきて、すすけた感じになるから、仕事を変える、引っ越す、または旅行などが必要だが、旅行が一番手っ取り早いからね。

若い頃との違いで格段に判断力が付いたと著者もその知人も言っているが、私はなんだかいつまでも判断力が付いてない気がして悲しいなあ。