「真夜中の五分前 side A」 本多孝好

真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-A
いろいろなことに執着しないで、どうでもいいと思っている「僕」は、ヘッドハンティングで引き抜かれた恐ろしく仕事が出来る女性上司小金井とも唯一良好な関係を部内で保っている。彼女は自分にも他人にも厳しく社内は敵ばかりだ。仕事も恋愛も適当にこなしていた彼だったが、ある日プールでかすみという不思議な女性と出会う。彼女は一卵性の双子で近々結婚する妹の結婚祝いを一緒に選んで欲しいという。彼らは見た目も考え方も好みもすべてが一緒で、幼い頃から入れ替わっていた彼女たちは自分たちでもだんだんとどちらがどちらなのか、わからなくなるほどだった。妹の婚約者と4人で会ううちに、僕はかすみの秘密を聞かされた。

side Bとの間にちょっと話が抜けているような感じもする終わり方だった。

6年前に交通事故で亡くした恋人水穂の彼の心に残した傷の描き方がいい。

「人はその人のことを好きだと思うからその人の顔を見るのか、それとも、人はその人の顔を見ているとその人のことを好きになっちゃうのか

人間工学では、人は顔を見ていると好きになるらしい。逃げるから怖くなり、笑うから楽しくなるのも一緒の原理で、人間は感情に反応して行動するのではなく、状況に反応した行動が人間の感情をつくるらしい。
これは興味深いな。

でも一卵性双生児の友人によると双子だからってあんなことにはならないと言っていたが、実際にああいう人はありえるのだろうか?

本多孝明の脚本でドラマとか見てみたい。
セリフが何気に素敵だったので、脚本とか書いてみてくれないかな?