サブプライム破綻、住宅バブルをいち早く見極め破綻に投資した人たちの話。
based on a true storyで興味深い。
衝撃はS&Pなどの格付け機関が銀行の言うままにめくら格付けをしていたこと。
リーマン破綻後の社内が写っていたシーンではred bullが積み上げられタワーが
できていた。
今さえ良ければ自分さえ良ければ。
モラルの底が抜けた時代に贈る知的挑発の書。
アメリカが強国になり得たのは一枚岩になれないように制度を
作り込んだからという。カウンターカルチャーの大切さを言っていた。
映画とかを見てもアメリカでは必ず反対の立場の人がいるとは
思ったけどそれが強さの秘訣なのね。
やはりdiversityにも通じる。
不機嫌な時、悲しい時、怒っている時には絶対に重大な決断を
してはいけないらしい。ネガティブな心の動きは判断力を狂わせるという。
不機嫌では想像力も知性も働かない、ニコニコ機嫌よくしていないと
危機を生き延びられないというから反省。
サルたちは未来の自分が抱え込むことになる損失やリスクは他人事だと
思っている。当期利益至上主義に酷似している。
こんなことを続けているといつか大変なことになるとわかっていながら
大変なことが起きた後の未来の自分に自己同一性を感じることができない
人間も同じと内田先生はおっしゃっている。
う〜ん。私も想像力が欠如しているしボーっているので反省。
映像も音楽も美しい映画だった。
終始哀しい雰囲気の漂っている映画だったがとにかく綾野剛の
色気がすごい。それはやはり彼の弱いところが垣間見えるところで
どうしようもなく感じてしまう。
男の人の弱いところの女性は惹かれてしまう気がする。
尾野真千子の気の強い女性もすごくいいし
韓国料理屋の女将の寺島しのぶもシンの強い女性でかっこいい。
おのまちとのシーンは唯一ホッとできるシーンだったのに
あんなことになって残念。
最後もすごくドラマチックで哀しい終わり方だったし
終始目がしっとりと濡れている感じの私だったが
まだ幼い翼を市原隼人が可愛いくて仕方がないという様子に
なんだかじーんとしてしまった。
大人になった翼役の磯村勇斗もいかにもって感じでよかったし
時代を感じることができた。
昔のシーンは映像が昔っぽくなっていてすごい。
もう一度行こうかな。
コロナ禍の中に現代最高峰の知性6人にインタヴュー。
ジャレド・ダイヤモンド、ポール・クルーグマン、リンダ・グラットン、
マックス・テグマーク、スコット・ギャロウェイ、スティーブン・ピンカー
の6人だ。
みんなから出てくる言葉はレジリエンス。
GAFAについても言及されている。
広告収入を収入源とするビジネスモデルは読者がクリックでより多くつながる
ことを求める。繋がりを促す一番の要素は怒りなので
対立と激怒を煽る投稿こそが多くのクリックをもたらす。
するとアルゴリズムで多くの繋がりを感知して、いい記事と判断し
人の目に触れる機会を多く与え、GoogleやFacebookでのランキングが
あがるという。
だからネットの中での世界は荒んでいくのね。
GAFAの中ではAmazonが強いという意見が二人から出ていた。
動画配信などNetflix でもDisney plusでもAmazonやアップルに
手数料を払っているというのも当たり前だけど初めて気づき
強力なプラットフォームだなと。
興味深く読めた。