もとは朝日の書評か広告で見て興味が湧いたんだと思う。
物語かと思ったらエッセイだった。
著者はアイルランド人で金融で働いていたがリストラされてから
ダンプの運転手をしている旦那とブライトンで暮らす日本人女性。
息子はカトリックの上品な小学校に通っていたが
中学になる時に元底辺中学校に入学することになり、
そこでのイギリスでの暮らしぶりや子どもの成長などを描く。
イギリスでは学校ランキングが広く浸透しているようで
それで学校の価値も決まるらしい。
息子が通っていた元底辺中学は校長がすごく頑張り改革に力を入れて
ランキングが上がってきた学校だ。
そうは言っても貧乏人の子供も多く、教師たちはボランティア的に子供の制服や
食事の面倒も見ている現実に驚く。
音楽にも力を入れて学内コンサートを開く。
行儀いい曲ばかりではなく、不良少年然とした男の子が貧乏を歌った
皮肉の聞いた辛辣な歌も大盛り上がりで大人たちも聞き、
それをCDにして学内で売るのだが、それにもバッチリ収録という話は
懐の深さを感じる。
昔TV bros という雑誌で音楽ライターのロンドンコラムがあり
すごく面白くて楽しみにしていたのだが
著者はもしかしてこの人だったのでは?と思ったりして。
言葉の選び方とかが面白いのだ。
他の著作も読みたくなった。