「水のかたち -源平合戦図から千住博の滝まで」 山種美術館

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久しぶりに山種美術館に来た。そこまで期待していたわけではなかったが楽しめた。

時間指定券を買ったがすごく空いていたので快適にゆっくりみれた。

 

まずは土牛の「鳴門」で迎えられる。海の躍動感が感じられ、でも色も緑がかった南国っぽい海の色でしばらくぼーっと見てしまう。この絵を描くのに土牛は揺れまくる船に乗って海に乗り出し終いには奥さんに体を支えてもらいながらだったという。

 

広重の錦絵もやはり雨の種類を描き分けられ風情があって面白い。

玉堂もあったが風景に対して人間が単純すぎる漫画のような絵で違和感。

千住博の「ウォーターフォール」も黒い背景にひたすら落ちる水が描かれ

迫力があり水飛沫の広がる様にも目がいく。

 

奥にいくと石田武の「鳴門海峡」がある。これは土牛のものと構図が似ているが

もっと大きくより写実的になっており、見ていると海に飲み込まれそうに

なるくらい怖く感じるリアリティだ。これもすごく面白かった。

 

「水」にまつわる展覧会なので、雨、雪、滝、海など情緒的で

静かな美術館にピッタリ。梅雨の季節に開催でも趣があったかも?

 

特別展示で「日本画に描かれた源平の世界」があり

安田靫彦の「平泉の義経」があった。線の細い涼しげな容姿に華麗な衣装が似合う。

細かく衣装の柄が描かれていてとてもおしゃれだ。

守屋多々志の「平家厳島納経」も鮮やかな青い海に船で移動する武士、公達、

平拍子たちが華やかに描かれ美し楽しめた。