2005-01-01から1年間の記事一覧

「狂骨の夢」 京極夏彦

ある海辺で金色の髑髏が見つかる。またしばらくすると別の髑髏が見つかるが、さらに別のが発見されたときは、だんだんと人間に近い姿になってきていた。 その海辺近くに住む、ある作家とその妻。妻は神経症のようで、自分が人を殺して首を切る夢を繰り返し見…

「ムーンチャイルド」

近未来の中国の端っこみたいな東洋の街は、日本からの貧乏な移民たちがたくさん住んでいた。その街で吸血鬼のハイドと出会った幼いガックンは一緒に暮らすようになり、ヤクザの闘争に巻き込まれかつて仲間だった友人が敵になり・・・なんだかガックンのやり…

「恋文日和」

DVD

クラスで目立たない女の子が、見た目怖そうな男の子の意外に純情な内容のラブレターを拾ったことから、文通のようなものが始まる「あたしをしらないキミへ」、母親の恋人にレイプされ、家出同然の女の子といかにも健全そうな素直な男の子の交流を雪国を舞台…

「恋愛小説」 森淳一監督 金城一紀原作

小さな頃から親しくした人たちが両親も含めて次々と病気や事故でなくなっていく運命の聡史はいつしか死神と呼ばれて、他人と距離を置いてしか付き合わなくなった。親が遺産をたくさん残してくれた彼の遺産管理のための遺言状を作る手伝いをするはめになる大…

「真夜中の五分前 side B」 本多孝好

双子の姉妹で一緒に旅行したスペインで列車事故にあい、僕の恋人かすみは亡くなり、もう一人のゆかりは生き残り、恋人であった尾崎と今は結婚している。だが日を追うにつれ、ゆかりは実はかすみだったのではと疑惑を持ち、尾崎はたまらなくなる。二人の関係…

「4TEEN」

DVD

原作に近いイメージでドラマ化されている印象だ。男の子たちもみんな素直でかっこいい。 時間が限られていて仕方がないせいか、ジュンの影が薄かった。自転車で渋谷に行くシーンでは銀座の歩行者天国では、自転車を降りておしていたりして礼儀正しいみんな。…

「ピアニスト」

たんなる甘美な恋愛ものかと思ったら、なんだか怖いお話だった。ピアノ教師のエリカが、個人リサイタル(サロンコンサート?)で演奏したのを見て感激したワルターは、大学の専門は違うのに、ピアノの才能のある彼は彼女のクラスを受けることに。彼女に魅了…

「ゆめつげ」 畠中恵

この本の主役の弓月はまさにそのタイプのヒーローだろう。貧乏神社の神官兄弟の兄、弓月はぼっとして頼りないが「夢占」が出来るとの噂を聞き、ある金持ちの札差の青戸屋のいなくなった息子探しを頼まれ、しっかり物の弟信行と白加巳神社という高い社格の神…

「クロス」

DVD

脚本・監督 大森美香の名前に引かれてツタヤで借りてきた。日本の近未来、国民の知能を上げるため、文部科学省主導でクロスワードをランダムに国民に解かせ、不合格者は人格を取り上げられる。ある読書依存症の引きこもりの男の子(RIZEのvocalの金子君)が…

「自分のまわりにいいことがいっぱい起こる本」 原田真裕美

オノ・ヨーコの推薦とかあったから、すごく興味を持って読んだのだが、なんとなく混乱した。今まで読んだり聞いたりした話と違うように感じたからだ。 たとえば、「つらいことがあっても自分にとって何かを学ぶチャンスだから逃げずに立ち向かえ」とか言われ…

「人のセックスを笑うな」 山崎ナオコーラ

磯貝の通う美術専門学校の講師をしているユリは、やる気のあるのかないのかわからないような、まったりとした所が生徒にも人気で、彼よりも20歳も年上の女性だが、ある日みんなの飲み会に彼女が参加したキッカケでつきあうようになる。 磯貝がモデルとなって…

「狂気の桜メイキング」

DVD

まあこんな感じで作ったのだろうという内容だった。 渋谷のゲリラ撮影にはちょっとドキドキ

「シーセッド・ヒーセッド」 柴田よしき

おまえ今、俺のこと、ケチなオカマ野郎とか思わなかった? ほら、今は、どうせ俺は単細胞だよ、なんでいちいち俺に構うんだこのタコ、とか思ってるだろ? と、すっかり練ちゃんに心を見透かされるくらいわかりやすい保育園の園長で探偵の花咲慎一郎のシリー…

「永遠のマリア・カラス」 ゼフィレッリ監督 ファニー・アルダン主演

声が出なくなりもう歌えなくなったカラスの元に、昔馴染みのプロデューサー(ジェレミー・アイアンズ)が訪ねてきて、全盛期の声を被せて映画を撮ろうと提案する。重い腰を上げ「カルメン」を撮るカラスに昔の歌声を乗せた映画はすばらしい出来になる。新た…

「家守綺譚」 梨木香歩

亡くなった同級生の家が一家で引越しをすることになり、その家守を頼まれた作家志望の貧乏な征四郎が、出会う不思議な物語。庭のさるすべりに恋されたり、なくなったはずの同級生高堂が訪ねてきたり、なんとなく拾って居ついた犬のゴローもちょっと不思議な…

「ジーナ・K」

伝説のストリッパー、カトリーヌ(石田えり)の娘、カヤノは母を憎み反発している。彼女の歌の才能を感じた宮本は、ストリップ小屋をライブハウスに変え、毎晩彼女のライブを繰り返すうちに、ジーナ・K(カヤノ)は有名になり、ライブも大盛況。毎晩同じ内…

「1ポンドの悲しみ」 石田衣良

30代の大人の恋が描かれている短編集。 なかでも私が気に入ったのは「十一月のつぼみ」だ。 彼女へのプレゼントの27本のバラを買いに来た芹沢に花束を作った英恵。芹沢は毎週花束を買いに来るようになる。世間話をしたり段々と親しくなっていく二人だったが…

「優しい音楽」 瀬尾まいこ

駅で突然声を掛けられ、不思議なままいつしか付き合うことになった鈴木さんと永居くんは、なんとなく普通のカップルとは違うようだ。デートの帰りの家族に挨拶をしようとする永居くんを阻止する鈴木さんを不信に思っていたが、とうとうおうちに訪ねていった…

「ミッションクレオパトラ」

モニカ・ペルッチが好きなので見たが、おちゃらけ映画だったのでびっくりしたが、まあ楽しめた。 エジプト人の優秀さを証明するために、シーザーと口論して思わず3ヶ月でシーザーの宮殿を建てることを約束したクレオパトラ。そして彼女に仕事を命じられた建…

「青い車」

よしもとよしとものマンガが原作だが、DVDをみるまで「よしもとよしもと」という名前と思っていた私。(変わった名前って思っていたけど)ネットを見ているとあまり評判のよくない作品なので覚悟していたせいか、びっくりするほどがっかりということはなかっ…

「月魚」三浦しをん

由緒ある古書店「無窮堂」を目利きだった祖父から引き継ぐ真志喜、「せどり」だった父親が無窮堂の祖父に気に入られ頻繁に出入りすることになり真志喜と仲良くなった瀬名垣。小さな頃から仲のよかった二人だが、真志喜の父親が捨てようとしていた古書の中か…

「七子と七生」

TV

瀬尾まいこの「卵の緒」が原作となっているので興味を持った。 七子の父の葬儀にやってきた愛人とその息子。彼らの存在を知って母子は深いショックを受けるが、何年かのち、その愛人の子を引き取ると母が言い出す。その子の母親は人を刺して留置されてしまっ…

「解夏」

大沢たかおと石田ゆり子の大人のカップルが落ち着いて見られていい。 それにしても長崎の彼の実家は海の見えるお庭の綺麗な美しい家なのだが、長崎ってみんなあんなにきれいなところに住んでいるの?とうらやましくなる。 主人公は視力を段々と失っていく病…

「ラヴァーズキス」

吉田秋生の原作の映画化。マンガは読んでないがみてみたい。 小さな頃ピアノ教師にいたずらをされ、それがトラウマになっているリカコはいつでも優等生の自分に嫌気がさしてる。彼女が好きになった男の子藤井は近親相姦に悩み、彼の後輩タカオは実は藤井のこ…

「風雲 ストームライダーズ」

天下会という武道組織の長、雄覇(千葉真一)が、泥菩薩という占い師に武道で天下を取るには「風」と「雲」というなの子供が10年後必ずや力になると聞き、彼らを見つけ出し、親を殺してさらい弟子にする。 彼らは雄覇を師匠として慕い、いつしか大人になる…

「ギュスターブ・モロー展」 Bunkamura ザ・ミュージアム

ギリシャ神話をモチーフにした作品が多くあるが、絵の解説が神話の内容にも触れてあったのでとてもわかりやすくよかった。 やはり目を引くのはヨハネの切られた首が宙に浮き光が差しているのを指差すサロメを描いた「出現」とユニコーンと細かな刺繍のドレス…

「Dearフランキー」 エミリー・モーティマー ジェラルド・バドラー

耳に障害を持つ一人息子に、ずっと父親を装い、手紙を送り続ける母親。 そんな母子の前に、存在するはずのない「父親」が現れた・・・・ 主人公の男の子フランキーと母親がすごくなまっていた。 フランキーの父親は外国航路の船に乗っていることになっている…

あなたはファントム様だったのね

「フォー・ユア・プレジャー」 柴田よしき

探偵で園長の花咲シリーズ第二弾。 おいしいイタリアンを食べさせる「カンパニョール」のマダム理沙は恋人だが、ある日失踪をしてしまう。彼女の行方を探るうちにある暴力団稲葉組幹部と愛人の遺体を見つけてしまう。稲葉組と苦労して話をまとめたばかりだっ…

「フォー・ディア・ライフ」 柴田よしき

春日組の前組長の妾のおばあさん風見恭子からにこにこ園という保育園運営を任された花咲は表向きは園長、裏では探偵をやっている。以前警官だった彼は同僚を事故で殺してしまい、それがきっかけで警察は辞め、やさぐれていた所を風間に出会い、新しい気持ち…