羊とピアノの関係がどうあるのか始めて知った。
うちにもピアノがあったがそんなに調律に来てもらった記憶はない。
おそらく頻繁に弾かなかったからさほどくるってもいなかったのかもしれないが
どうだったんだろう。
学校に調律に来た調律師を見て仕事に魅了された少年が自ら
調律師を目指す物語だが、ピアノの世界とはなんて豊かなんだろうと
成長する少年を通しても感じられる。
先輩調律師たちもみんな仕事ができる魅力的で面白い人たちだし
ちょっとひねくれている印象のあった先輩もピアニストをあきらめた
過去があり、彼にも物語がある。(この秋野という先輩はなんだか
すごく気になる存在だった)
調律に訪れた家で出会った双子の女の子もピアノが大好きで
とても愛らしく魅力的だ。
途中で不幸な出来事があったが新しい目標に向かって
お互い支えあって進んでいくのも素晴らしい。
ピアノは環境や調律師の仕事ぶりによってこんなにも
表情が変わるのかと驚かされ、その繊細で人の手がかかるところも
むしろ面白い。
いろいろなピアノがとても聞いてみたくなる。
そしてピアノって数学的でもあるんだなと感心。
そんなに派手な話ではないのに、こんな本がすごく売れているという
現状もとてもうれしい。