「僕はいかにして指揮者になったのか」佐渡裕

佐渡裕が指揮者にどうやってなっていったかを描いた自伝的エッセイ。


とりあえず子供の頃からクラッシックが大好きで、そしてコンサートにも
たくさん行っていたようで驚く。やはり子供の頃から素養があったのね。
何回かに一回は奇跡が起きたとしか言いようのない「すごい瞬間」があるという。
私はこのところクラッシックのコンサートに行く機会が増えたが
残念ながらそこまですごい瞬間には立ち会ったことがない。


彼はとても大柄だが、子供時代のピアノを弾いている写真があり、
「これでも3歳」と書いてあったが、確かに驚くくらいでかい3歳で
ちょっと笑った。


タングルウッドで小沢征爾バーンスタインと出会ったのも
やはり才能のある人はきっと見出されるのだと思った。
そして指揮者というのは魅力がないとなれないのだろうことも。
佐渡自身が小沢やバーンスタインがいかにオーケストラの団員を
魅了してしまうかを述べていたが、佐渡も好かれている様が感じられる。


高校の頃よく通っていた食堂のおばちゃん(と呼ぶと殴られる)が
つい食べ過ぎている彼らに「大丈夫か?ひとり1000円越えてるで」と
途中よく教えに来てくれたというエピソードは面白くて心も温まる。


途中に差し込まれている小沢とバーンスタインのイラストは
異常に似ているのだが、あれも佐渡が描いたのだろうか?


佐渡のコンサートに是非行ってみたくなる本。