子供の話なんか興味ないのに読んだのは、主人公の男の子がとてもいいと
書評か何かで読んだからだと思う。
オーストラリアに急に赴任することになった一家の男の子の
成長の話なのだが、子供のしぐさや描写が愛らしく
とてもうまい。
はじめは英語のわからなかったマサトがだんだんと友達もでき
苦労をしながらも現地に溶け込み、
一方日本の方ばかりを見ている母とは壁ができていく。
パーティをするからdishを持ってこいと言われて本当に
皿だけを持って行って笑われたり、いじめっ子が父親のいるアメリカから
帰ったらアメリカなまりになってみんなにかっこよく思われたり、
勉強もピアノもできる優等生の台湾系の少年となかよくなったり。
ドラマチックなことは起きないのだが、確実に一歩づつ成長していく
マサトの様子にうれしくなる。
用務員さんのようないつも汚い恰好をしているおじさんが
ライオンズクラブの会長のボランティアだったり、みんなで
いいところを素直に褒め合ったりするのはいいなと思う。