「天の方舟」 服部真澄

天の方舟

天の方舟


実家の商売のためお金が必要な京大生の七波は、お金で苦労する両親を見てきたから
こそお金に強い執着を持っている。
ある日ボランティアや慈善事業、ODAなどの善のイメージが強いコンサル業界では
実はわいろや裏金が横行する世界と知り自ら飛び込み、
出世の階段を必死に登る。
彼女は順調に出世を重ね、裏の世界もすいすいと泳いでいく。

赴任先のベトナムで大きな事業を手掛けたが、その建設中の橋で
大きな事故が起き死者も多数でてショックを受ける。
それはあちこちでリベートを抜きまくり手抜き工事になっていたことが
原因と思われたからだ。

日本に帰った彼女を待っていたものは・・・

コンサル業界というのは外国に行ってどんなインフラや整備が
必要か調査をして、その国から日本にODA援助を働きかけさせ
決まればとても大きな事業になる。その利権にはいろいろな人が群がり
裏金はあちこちにばらまかれるらしい。
やはり土木建築というのは大きなお金が動くのだな・・
理想高く入社しながら、現実の黒い世界に強く失望して辞める人も
多い業界だそうだ。


そして新幹線も外国からの援助資金で作られたというのを知ってびっくり。
つい最近までお金を返していたらしい。
戦後の日本は外国からのODAで次々とインフラが整備されたんだなと
改めて知った。今は整備されている日本を思うと、順繰りに途上国を
助けたい、役に立つ用になりたいと思うな。

最後のシーンはなかなか衝撃的だった。
犯人はだれ???