「リレキショ」 中村航

リレキショ (河出文庫)
拾い癖のある女性に「弟がほしかったの」と拾われ、のこのこと付いて行き、「犬のように名前をつけられた」僕は、姉さんと暮らし、今は近くのガソリンスタンドで働いている。
ある日原付きバイクに乗った女の子ウルシバラから手紙を受け取る。彼女は受験生で昼夜逆転した生活をしており、夜そこで働く彼を見ているという。その後ときおり来ては手紙を渡すようになる。

姉さんの女友達の山崎は豪胆でかなりの男前だが、「親友の弟とキスをするのが夢」で彼と優しいキスを交わしたりする。3人で手際よくおいしそうな肴を用意して、お酒を楽しそうに飲む様子はとても心地よく幸せな気分になる。
弟 半沢良になってからの略歴を記してあるシーンを読むとそれまでの話の流れがすべてわかるくらい簡潔。