「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」村上春樹

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)
夜になると起き出し、図書館に保存されているいくつもの獣の頭骨から「夢読み」をする「僕」のお話「世界の終り」と、シャッフリングを駆使して暗号を読み解く仕事をする「私」のお話「ハードボイルドワンダーランド」。
まるで別々に展開する関連のなさそうな二つの話が、同時進行しながらいつしかシンクロしていく不思議な物語。
村上春樹の本はアメリカの「僕小説」の趣で、でてくるカルチャーもアメリカ風だったり、欧州風だったりとおしゃれな感じがするので、「近藤正臣」とか「ニッカンスポーツ」とか出てくるとすごく違和感を感じてしまう。地名も青山一丁目など春樹作品として日本で一番しっくりくるはずの地名もなんだかぴったり来ない。きっとどこの国でもないような雰囲気なのに急に現実的で気になるのかなぁ。