「ア・ソング・フォー・ユー」 柴田よしき

ア・ソング・フォー・ユー

ア・ソング・フォー・ユー


保育園園長兼私立探偵のハナちゃんシリーズ。

今回はハリウッド俳優の日本人妻で超セレブの女性に
15年前に2度だけ会った当時高校生だった男の子を
探して欲しいという依頼を受ける。電車で彼女の前に
立った彼からわら人形が落ちてきたという出来事で
知り合ったという「ブルーライト・ヨコハマ


仕事をいつも回してくれる城島。婚約中の彼の姪が
何よりも大切にしている逃げたインコ探しを
頼まれた「アカシアの雨」


まるで猫の子のように狭いところに押し込められて
棄ててあった赤ちゃん。誰が捨てたのかを探すうちに
出会った女の子の恰好をした性同一障害のやせっぽちの男の子。
彼がゲームセンターでとった景品を売りさばいているところを
ヤクザに見つかり半殺しにされる。それらの話が
微妙に繋がっていく「プレイバックPART3」


恋人の理紗から友人の亡くなった父親の消えた骨壷の捜索を
頼まれ、同時に山内からもやっかいな人探しを受けてしまった
「骨まで愛して」


それぞれはその短編の中で完結しているのだが
ずっと後ろで流れていく物語も同時に進行している。
昔の話も出てきて、もはや記憶もあやふやなので
過去の作品でも読み返してみようかと思ったが
やはり読みたいのは麻生と山内の物語だ。
最近「聖なる黒夜」をさっと読み返したら
なんだかすごく麻生がいい男に見えてきて好感を持ってしまった。
今回もほんのちょっとだけ出てくるシーン(通りがかり程度だが)
があってちょっとだけワクワクした。今回は山内の出番も
そう多くなくて、ちょっと残念だったが、やはり次回は
麻生と山内の物語を是非、柴田先生お願いします。