「ちゃんと話すための敬語の本」橋本治

敬語というのは「相手と自分の間には距離がある」ということを前提にして使われる言葉だという。基本的な成り立ちや使い方を踏まえて使用すると時代劇のセリフみたいになるので、現代で敬語が必要な理由は「目上の人をちゃんと尊敬するため」でなく「人と人との間にある距離をちゃんと確認して、人間関係をきちんと動かすため」だ。

この本でよく例に引いている「ねえ、先生」という言葉は、先生には本来敬語を使い距離をおくべき対象だが「もっと側に来てほしい」と思っている気持ちがでている。成る程!

先生は「先に生まれる」と書く。先生は職業名ではなく敬称で「人にものを教えられる人は若くても長老と同じように偉い」らしい。