自殺したヤクザの近くに落ちていた銃を拾った青年が、万能感を手に入れ
銃に心を奪われ常に銃のことを考えては幸福感を感じていた。
だんだんと眺めているだけでは物足りなくなって・・・
主人公でストーリーテラーの大学生はいわゆる友達もいない
引きこもり的な青年ではなく、そこそこおしゃれで女の子の友達にも
あまり不自由せず普通の男の子っぽいが、そんな子が銃を拾って
それを隠し使う機会を伺っている。
前半は主に青年の気持ちの高揚とか心の動きが中心となり
事件はなく進むのだが、途中から加速度的に物語が動き出す。
あわやという時にまた一度読者を安心させた後に思いがけない
終わりが待っていて後半は息をいかせない。
え~これで終わり!?というところで終わるが、あの中途半端なドキドキ感が
いいのかもしれない。
途中出てくるなんでもお見通しっぽい刑事がその後どう動くのかが知りたい。