「7月24日通り」 吉田修一

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地味なOLの小百合にはみんなにうらやましがられるほどのかっこいい弟がいて
自慢だ。会社の先輩社員の妻は小百合の学生時代の先輩で今も時々呼び出され
食事をご馳走になる仲だ。かつて彼女は小百合の憧れの聡史と付き合っていた。
二人は学校の誰もがあこがれるようなかっこいい理想のカップルだった。

ある日、同窓会で久しぶりに聡史と会い、心が離れていない自分を自覚する。
一度は諦めたものの、あるきっかけでつきあうことになる。
うれしく想いながらも、いつも自信のなさから居心地の悪さも感じている。

そんな時自慢の弟がさえない地味系の女の子を付き合っていると知って・・


主人公の小百合は未だ訪れたことのないリスボンの街の地図を
自分の住んでいる街に当てはめ、こっそりその地名で呼んでいる。
こんなことはバカらしいが、実はちょっと心が浮き立ったりするから不思議だ。


自分も地味で、自信がないため、かっこいい聡史はつりあわないのではと
いつも不安に思っている。そして同じくかっこいい弟と付き合う地味娘に
いらいらして、きつい事を言ってしまう。
そんなかっこいい男の子と付き合う地味目の女の子はただ魅力的なだけでなく
したたかで強いんだろう。
でも女の子は「なんであんな子が彼と?」と風当たりが強くなるんだよな〜。


小百合は一緒にいて落ち着ける居心地のいい男の子とも知り合うのだが、
物語の最後はちょっと意外な感じで終わる。