「神様」川上弘美

神様 (中公文庫)
おとぎ話のような短編集。
猫屋という飲み屋をしているカナエというおばあさんは、若い頃冬になるたびに出会い過ごす男性がいた。彼とは春になると必ず別れることになってしまう。昔話をいつしか客の「私」にしてくれた。常連になったころにお店を訪ねると張り紙があり・・・という「春立つ」は終わりがちょっと素敵で好きだ。日曜の青空市で買った壺をこすると小柄な女の子が「ご主人様〜」と出てくる「クリスマス」。この女の子がやたらとモテモテ。でも好きな人だけに好かれればいいと言い切る。熊川哲也が昔テレビで同じ事を言っていた。恋人にだけもてていればいいというようなこと。その考え方はいいね。