「いまなぜ白洲正子なのか」 川村二郎

 

いまなぜ白洲正子なのか

いまなぜ白洲正子なのか

 

 この本は「いまなぜ青山二郎なのか」という正子の著書から

タイトルを拝借しているとはアマゾン検索していて初めて気づく。

 

白洲正子自体がもう伝説の人で次郎ともどもかっこよくて仕方ない

昔の女性という印象だが、この本を読むと歴史上の人物

のような人がたくさん出ていて驚く。

 

まず正子が薩摩の伯爵家というのも最近「八重の桜」再放送を見ていた私

には衝撃だったが、さらに彼女と仲良しの松平節子が容保の孫娘で

のちの秩父宮妃。朝敵と言われた容保の孫が宮家に嫁ぐというのも

感慨深いのだが後に「銀のボンボニエール」という著作を残す。

そういえば聞いたことある。うちにあったかも!?

正子と節子の父親同士が仲がよかったというので容保の息子の代には

薩摩との関係も良くなっていったのだろうか?

正子がアメリカに留学した学校はラテン語が必須の格式高い学校らしいが

そこにラフマニノフが来てピアノを演奏したりしたというからすごい。

 

吉田茂はもちろん、大久保利通の息子や宮家の方などそうそうたる

登場人物。近衛文麿は顔を洗ってもだれかが拭くまでじっと待っているという

五摂家はすごいと正子も言っていたが確かにすごい。

後にそんな近衛は自害をすることになるのだが・・

 

今では大御所で大変な目利きという印象の正子でも

青山二郎小林秀雄と一緒の時には彼らから小娘扱いなのが新鮮。

 

映画「サーチ」 シネクイント

突然消えた娘をネットとPCを駆使して探す話なのだが

探しているうちに自分の知らない娘の顔を見えてくる。

 

ほとんどがパソコンの画面だけで展開するという

新しいスタイルの映画で面白い。

全然違和感なく楽しめるし、スリリングだし

最後の展開が思いがけずどんでん返しがある。

 

それにしてもネット社会は個人情報が垂れ流しだと

再認識。PCがあれば相当なこともまで調べられるし

password社会ではあるが、必ずForget your password?

がありキーになることを知っていればどんどん道が開ける。

そしてなんでも検索をするとすぐにいろいろとわかる。

もちろん探し方などのliteracyがないと難しいのだろうが。

最後の最後まで救いのない映画だったらつらかったが

そうではなくてよかった。

 

今日の英語

when you get reception 電波が受信できたら

「東山魁夷展」 国立新美術館

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紅茶がアールグレーだとそれだけでうれしい。

お昼に紅茶とパンを食べてから展覧会へ。

 

すごく混んでいた。

おなじみに絵も多く、色彩が美しい。

雪景色に惹かれる。やはり静かで哀愁を感じるのか・・

「雪の谷間」「白い朝」など好きな作品だ。

京洛四季のスケッチは小品ながら趣がありいい。

唐招提寺襖絵も鮮やかな緑の海で明るく目にまぶしい。

中国の風景の襖絵もさびれた様子が趣がありとてもよかった。

「横山崋山」 東京ステーションギャラリー

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非常に面白い展覧会だった。

 

もともとは知らない画家だったが、祇園祭の美しい絵の描かれたポスターを

見て興味をとても持ちいってみることに。

 

目玉は上下巻合わせて約30メートルという「祇園祭礼図巻」では色鮮やかな

山車が細かく描かれており面白い。

巻き絵ってどうやって描いたのだろう?とふと思う。

紙は継ぎ足し継ぎ足ししていくのだろうか?

 

この絵はもちろん見事なのだが、色をあまり使っていない大黒天蛭子尊図や

百鬼夜行図も面白い。 宝船図も面白く細かい絵だ。

色使いが美しく風俗が描かれてどの絵も興味深かった。

 

蕭白に影響を受けていただけあり、絵も蕭白風なもの多し。

 

それにしても八重洲方面から地下を通ってステーションギャラリーに

来たのだが本当に迷路のようだった。

「仏像の姿~微笑む・飾る・踊る~」 三井記念美術館

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仏師がアーティストになる瞬間というタイトルがついている。

 

この美術館の展示は興味ぶかいものが多いが、今回もとても

面白い展覧会だった。

全体的に小ぶりの仏像が多めだったが、小さくても装飾が非常に

美しく優美でかたちも面白い。

ポーズも表情もいろいろあって興味深い。

各仏像の見どころもそれぞれに書いてありそれに注目して

楽しめる。

 

この展覧会は快慶展より面白いくらいだった。

仏像といえばお寺(または美術館)にあるものと思うが、

個人蔵というものも多々あり、それはどんな人がどんな風に

持っているのだろうと不思議に思った。

 

映画「ビッグ・フィッシュ」

 

 

ビッグ・フィッシュ (字幕版)
 

この映画で泣いたという評判を聞くので見てみた。

小さな頃からほら話ばかり聞かされ不信感を持っている

父親が瀕死状態になった息子が父の思い出を訪ねる旅に出る。

はじめはティム・バートンが監督と知り驚いたが

すぐに彼独特のファンタジー画像が繰り出され納得。

ユアンが人好きのする若き日の父親役だが素直そうでぴったり。

でも映画の感動は思ったほどではなかったのは

父と息子の物語だからだろうか?

この話で泣いたと聞くのは圧倒的に男性からの方が多い気がする。

「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」 佐藤航陽

 

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

 

 お金の価値は高いとはいえ、今の時代はお金より周りからの評価に

重きを置くようになっているというのはなるほど納得。

SNSで「いいね」の数がなりより重要だったり。

お金を使うよりsharing economyが発展していったり

質素なもので満足し、お金よりも承認欲求の方が大きくなっている。

うまく説明できないが本を読んでいると

こういう方向に社会が動いているというのがわかりやすかった。

 

アップルが倒産の危機にあったとき、ジョブスが戻り

ブランドに再び焦点を絞って立て直した話が載っていた。

当時のアップル製品は不具合が多いことで有名だったが

アップルの思想や美意識に共感した熱心なファンがいて欠点が

あっても使い続けていたそうだ。

価値観に共感している場合は多少の失敗は許容されるという話なのだが

そういえば日本でも「マックに甘いマックユーザー」という

言葉があったことを思い出す。

 

ブロックチェーンの仕組みに関しても絶賛されていた。

まるで興味がなかったが今後少し注視していきたくなった。