「蜂蜜と遠雷」 恩田陸

 

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

 

 基本的にピアノコンクールに出場する人々の話だが、

審査員や調律師、運営側の話も分かって面白い。

コンクールを勝ち上がっていく様子もスリリングだし、

ただの重圧ではなく、とても音楽やピアノを愛していて

お互いの才能に刺激を受けあい高めあう様子もいい。

 

主な主人公にジュリアード出身のマサル、もと天才少女で

公の場から遠ざかっていた亜夜、養蜂家の息子の風間塵。

ただのコンクールではなくその後の音楽家としての彼らの

未来が明るく開ける予感に満ちているのがいい。

結果はちょっと意外だったがまあ妥当なのだろう。

 

いろいろな曲が物語に出てくるので、聞きながら読みたいと

思っていたら音楽集のアルバムが出ているようだ。

 

どこかで映画化の話を聞いた気がするが誰がやるのだろう?

「オンナの奥義」 阿川佐和子 大石静

 

 ふたりとも仕事でも第一線で来ている女性なので

話も面白い。

 

長谷川博己を初めて見た時には清潔感を超えた

独特の透明感があるって思ったと大石さん。

そして綾野剛もと言ってくれていた。

その透明感も本人がいい気になったり努力をしないとくすむという。

大石さんの作品でもう少し剛君使ってほしいな。

映画「プーと大人になった僕」 TOHO CINEMAS日比谷

 

プーと大人になった僕 (字幕版)
 

 

 

Midtown 日比谷は行ったことがあると思っていたが

今回ここの劇場に来て初めて来たと思う。

 

エスカレーターを上がると前に明るい景色が広がるが

大きな窓が全面にあり美しい緑の皇居が見える。

しばらくぼっと見ていたいほど美しい景色だ。

そういえば皇居の周りって高い建物制限されていなかったっけ?

昔の話か?

 

映画は絵本のイラストをCGで現実とうまく折りまぜ

絵本の世界観から現実にうまく移っていく。

少年時代のクリストファー・ロビンがまたかわいい少年で。

森のお別れ会には胸が締め付けられる。

大人になったらユアン・マクレガーなのもすごく自然にそう思えた。

ディズニー映画で、子供連れのお客も割といたが、大人向きの映画だろう。

おじさん観客もちらほら。

 

前半から半分くらいまでずっと私は目に涙がにじんでいた。

会社員になり余裕のない大人になったクリストファーだが

上司は彼のことをロビンと呼んでいた。イギリスでは結構普通なのだろうか。

プーが自分の脳みそは小さいから卑下していうのもいじましい。

最後はハッピーエンドなのでそれはよかった。

「芸術祭十月大歌舞伎」歌舞伎座

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十八世中村勘三郎七回忌追善とうたわれる公演の夜の部では

仁左衛門さんと玉三郎の共演で久しぶりに歌舞伎座へ。

 

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宮島のだんまり

義経千本桜 吉野山

助六曲輪初花桜 三浦屋格子先の場

 

義経千本桜では忠信勘九郎静御前玉三郎だった。

助六では七之助が揚巻、勘九郎が白酒売新兵衛だったが

勘九郎は先代の勘三郎にますます似てきたと感じる。

助六仁左衛門さんだから揚巻は玉三郎で見たかったものの

厳しい母親満江役の玉三郎も存在感があってよかった。

七之助の揚巻は玉三郎風で話し方や最後に助六を振り返って

見る立ち姿もすごくきれいだった。

 

そして仁左衛門助六は1998年以来の20年ぶりとのこと。

たぶん前回見ている気がするがそんなに昔なのね。

助六仁左衛門は華やかでかっこよく、こんなのが

見たかった。

 

久しぶりの歌舞伎座だったが、前の席と椅子の高さが一緒なので

前が高いとみにくいなと感じた。

やはり桟敷が一番前がいいかしら。

映画「サークル」

 

ザ・サークル [Blu-ray]

ザ・サークル [Blu-ray]

 

 巨大IT企業に就職できた女の子が会社の考えに狂信的になり

どんどんとエスカレートする様がとても怖い。

大人たちにいいように利用されている。

自分の24Hを公開することになってスター扱いされるうちに

起きた突然の友人の事故は衝撃的。

NHKのドラマ「フェイクニュース」でもそうだが

一番一般人が怖い。

若い子がスマホの打ち込みを両手を使ってやっているのが

最近の子だわと感じたり・・

英語の方が打ちやすいが日本語で両手打ちは難しい。

「ウォーターゲーム」 吉田修一

 

ウォーターゲーム

ウォーターゲーム

 

 産業スパイシリーズなのだが、毎回出てくるメンバーの名前とか

素性を忘れてしまうのはあまり興味がわかないせいか?

今回出てくる女スパイアヤコはまるでルパンの不二子のように

美人でグラマー色っぽくずる賢く敵か味方かわからない。

ドキドキハラハラの展開が続きミッションインポッシブルのようだった。

「京都大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」 東京国立博物館平成館

 

途中のフェルメール展の大行列をしり目にここに来たら

待ちもなく入場できてよかった。

大好きな快慶展だが、定慶、行快など作品も多かった。

 

定慶作の重要文化財指定の六観音は圧巻。

保存状態もよく繊細な彫りも美しい。

そのうちのひとつがこれだ。

 

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今回は半分でDUCHAMP展もやっており展示物が少なく残念。

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上野の森が気持ちいいのは巨木が多いせいか・・

歩いているととても気持ちがよく癒される。