「国宝」 吉田修一

 

 

国宝 (上) 青春篇

国宝 (上) 青春篇

 

衰退する関西歌舞伎の様子や出てくる役者人がこれは仁左衛門さん一家?とか

思ったり出てくる人たちが実際の歌舞伎役者と重なる。

以前から聞いていたが後ろ盾がないと難しい歌舞伎界なのだな。

だんだんと落ちぶれる様もあからさまで見ていてつらい。

国宝 (下) 花道篇

国宝 (下) 花道篇

 

主人公喜久雄の生涯も波瀾万丈。やくざの息子として生まれ親は殺され

歌舞伎界に入ってからもいい時もあればぼろぼろになることもあり。

彼のお世話になった師匠の息子俊介も波瀾万丈で途中でドサ周りになったり。

それでも喜久雄は彰子という大物歌舞伎役者の娘でしっかりもの、

俊介も喜久雄の幼馴染の春江というしっかりものの奥さんがいたので助けられている。

喜久雄は美形で俊介は色白で華奢、でも生々しい色気があるというは

映画化したら俊介を綾野剛で見たいと思ったりして。

 

喜久雄のお世話係の徳次の喜久雄に対する無償の愛もすごい。

お互いが年を取ってもちゃん呼びしているのもいい。

 

最後のところが私にはなんともわかりづらい。

他の人に「あれってどうなったの?」と聞いてみたい。