「優しい死神の飼い方」 知念実希人

 

優しい死神の飼い方 (光文社文庫)

優しい死神の飼い方 (光文社文庫)

 

 これも友人から借りたので読んだ本。

 

死神が地縛霊になりそうな人間を無事に死ねるように手助けすべく

地上に降りる。行先は末期のがんに侵されているような病人ばかりの

病院で、しかも病人たちはひとくせもふたくせもあり、

病院自体にも秘密があるようで・・

 

それぞれの病人に過去があり、犯罪者だったり、裏切られて

傷ついた画家、みんな何かを隠している様子。

以前にこの家に住んでいた資産家一家とみんななにかしら

関係があることがだんだんとわかってくる。

この一家は子供が病気で日光にあたることができないため

いつも夜中に出かけているので、周りからは不審に思われているのだが

子供思いのいい一家なのだが、強盗に押し入られ殺されてしまう。

このあたりの話は胸が痛くなる。

 

犬として地上に潜入している死神が病院長の娘で看護師の

女の子と病院と患者たちを救うべく奮闘する話なのだが

救うというのは強盗から救うということもあるが精神的にも救っていく。

 

最後はちょっとできすぎな感じの終わり方だがそれでいい。