かっこつけで嫌っていた父の遺産でニューヨーク旅行に来た葉太は
自分も病的に自意識過剰な男だ。到着してすぐに入ったダイナーでは12ドルもする
のにいちいちまずい朝食に耐え、その後に訪れたセントラルパークでは
早速すりにあい、一文無しに。
一目が気になりSOSも出せず、領事館にも行けず、わずかな所持金で食いつなぎ
浮浪者のようになり精神的にも破たんをきたしていく。
最後にあのダイナーがでてきて思いがけず大切な役割を果たす。
葉太があまりに痛々しいので読んでいてつらくなるが、急に明るい光がさして
鮮やかに物語が終了する。こう来るか!