「歌舞伎の血と䆿」 中川右介

 

歌舞伎 家と血と藝 (講談社現代新書)

歌舞伎 家と血と藝 (講談社現代新書)

 

歌舞伎界の各家の歴史を描いているのだが、伝説の名優はでてくるは、

どの家もお家騒動や妾が当たり前、かなり濃い~お話が続く。

すごくドラマティックだし、どの家もそれぞれが映画になりそうな話ばかり。

江戸時代から続く話なので、浮世絵を見ると見たことがある名前が出てくるので

きちんと頭に入っていると絵を見てもよくわかって面白いのだろうが、

何しろ同じ名前が何度もでてくるのでやはりわからないままだった。

 

そして歌舞伎界がなんとそれぞれが親戚だったり血がつながっているのかと

しみじみと驚く。あの辺は親戚なのか・・

 

この中では以前読んだ玉三郎の話でも出てきたが、彼の養父の守田勘彌の話が

独立して読んでみたい。はんぱなくもてたらしいし、どんな人だったのか

すごく興味がある。

 

そして近年では吉右衛門が意外に政治にたけているというのがおやっと思う。

確かに現在はキッチーが歌舞伎界の中心という感じはするが、そうなるための

布石が打たれていたのか。

そんな風には見えないので驚いたし、勘三郎と確執があり、彼の襲名披露には

出ていなかったという話もお互い温厚そうなのにとさらに驚く。

芸に邁進するだけでなく、政治的に長けているというのが歌舞伎界の中心に

なるために必須なのだな。それも才能か。