「スタンフォードの自分を変える教室」 ケリー・マクゴニガル

 

スタンフォードの自分を変える教室

スタンフォードの自分を変える教室

 

 この本を読んで実に実用的で読みやすかったので感動した。

もうちょっと小難しい内容の本かと思っていたが、とっつきやすく

そういうことだったのかと膝を打つことが多々あった。

 

人はなにかを「やめたい」のにできない(禁煙など)とか、「やりたい」のに

できない(掃除、片付けなど)など自分の望んでいることがなかなか達成できない。

私はどちらかというと「やりたい」ことができないタイプだ。怠惰だから。

そんな私もやさしく導いてくれる。

 

いろいろな心理的な仕組みも勉強になる。

例えばドーパミンが出るのは気分がいい時というよりも、報酬への期待なのだそうだ。

報酬そのものではない。セール、試食、甘い香りがプンプンするクッキー屋などで

ドーパミンが出て、より欲望を掻き立てられ買い物せずにはいられなくなるという。

そういえばタワーレコードで視聴すると次々と買いたくなったり、何かを買うと

はずみがついて他にもどんどんと買い物したりしているわ、私。

「やる力」とドーパミンが結びつくと本当はいいらしい。どうやって?

 

「悪い習慣も好ましい変化もともに人から人へウイルスのように感染する」

broken window theoryを思い出す。この本にも同様の例が出ており、実際に

悪いマナーを目の当たりにしなくても、その痕跡だけで人は自分もいいやと

思ってしまうらしい。

何かを考えないようにすると強く意識してしまう。頭から消し去ろうとすると

ブーメランのように戻ってくる。失敗したくないと思っていると失敗したり

眠れないと思うと不眠症になったり。ある考えを頭から追い払おうとして

かえってそれが頭から離れなくなると「きっと本当のことだからに違いない」

と頭は思い込んでしまうらしい。諦めて、好ましくない感情をや考えを

コントロールしようとしないことが解決策とのこと。「考えるな」と

言われたことを「実行」してしまうものだから思考を抑圧するなと。

何かを禁ずると欲求は強くなる。「思考」を押さえつけず「行動」だけを

自制する。たとえばダイエット中で目の前のチョコをおいしそう、食べたいと

思ったら素直に認めるが、「思った通り、感じた通りにふるまう必要はない」

つまりチョコは食べない。

 

うーん、完璧!私にできるかは別だけど。