「ガラスの巨塔」 今井彰

ガラスの巨塔

ガラスの巨塔


元NHK「プロジェクトX」プロデューサーの手記のような小説だ。
NHKの官僚体質や、突出する人への周囲の妬み嫉み、足のひっぱりあいなど
いろいろと壮絶な内容が描かれている。

著者はエリートではなかったが、番組作りに情熱と自信をもっていたが
地方でくすぶっていた。湾岸戦争のときにチャンスを掴み
それを機にどんどんとのし上がっていく。
その「あがり」が「プロジェクトX」だった。
このところNHKで不祥事があり、プロジェクトXもなんだかそれがらみで
番組が終了したという印象だったが、こんな話だったのかと思った。


自分の会社を見ていても思うのだが、出世する人は必ずしも仕事ができる人ではない。
何だか知らないが出世しているなと思う人がかなりいて、不思議だと思っていたが
この本にも出てくる。主人公の仇役といっていい男性はまるで仕事ができないように
見えるのにそれなりに出世しているのである。
勝間さんの本でも「実力よりも根回し」とあったが、世渡りが上手というか
立ち回りがうまいひとが出世するのかな。
世の中は不思議だ。