「パリ左岸のピアノ工房」 T.E.カーハート

パリ左岸のピアノ工房 (新潮クレスト・ブックス)

パリ左岸のピアノ工房 (新潮クレスト・ブックス)


パリに住むアメリカ人の著者と近所のピアノ工房の主人の話。


この工房は一見さんはお断りで紹介がないと買えない
ピアノ工房で、主人のリュックは中古のピアノを
買い付けては再生させて売っている。
彼はピアノに対する深い愛情と知識を持ち合わせ
次々と素敵なピアノを見つけては美しく再生させる。


こんな風になんでも知ってるすばらしい職人が
ヨーロッパにはいるのだな。
この本にはいろいろなピアノがでてくる。
今までヤマハスタインウェイくらいしか知らず
去年くらいからベーゼンドルファーに興味を持った程度の
私だったが、今回エラールやプレイエル、ベヒシュタインなど
さまざまヨーロッパのピアノの名前を知る。


中古のピアノもとても面白く興味深い。
とても買ってみたくなった。


その中で最高級のピアノというのが
イタリアのファツィオーリだと紹介されていたが
このピアノはあまり生産されておらず出回っていないらしい。
このピアノの演奏会があったらぜひとも行ってみたい。


現在フランスのピアノ製造事情はあまりよくないという。
そしてイギリスに渡っているかつてのいいピアノも
いいものは絶対戻ってこないとリュックが言っているのが笑った。


ピアノを長く弾かずに放置するとねずみが住み着いたりするらしく
うちにあったヤマハもピアノももしかしたらそんなことに
なっていたのだろうかと想像したら恐ろしかった。