「神様からひと言」 荻原浩

神様からひと言

神様からひと言


大手の広告代理店に勤めていたものの、ほんのりと短気な性格のうえ、
思った言葉がなぜか自動的に発せられてしまうという損な体質のため、
辞職。そして次に勤めるラーメンが主力の食品会社でもその体質が
災いして、「お客様相談室」へ配属となる。そこはリストラ要員の
強制収容所とも社内で呼ばれている所で、みなすぐに辞めていく。
その中でゴキブリのようにしぶとく生き残っている人間がいる。
彼の名は篠崎と言って、そこの主のような存在だった。


軽妙洒脱でユーモアがあると紹介にあったが、まさにその通り。
とても面白くよめたし、最後も結果オーライでよろしい。
描写やたとえが絶妙で、読んでいて鮮やかに場面が見えることも多い。


その中で苦情客のハンドル方法などは、ビジネス書並みに勉強になる。
まず謝罪の言葉を言う、相手の口を塞がず辛抱強く話を聞く、
向こうが熱くなってもこちらは冷静にあれ、それから初めて自分の番で喋る。
その際相手の意見に感謝をして(その際洞察力を褒めたりして)、
責任者を出せを言われても簡単に出さず、自分が責任者と言う態度で接する。
その際責任を取るとは絶対に言わず、「責任を持って伝えます」と言う・・など。
また相手の言葉を繰り返して言うなどもテクニックとして載っていたな。


実に面白くそして意外に為になる本だった。
ほかの著作も読みたくなったが、ユーモア系で。