「ひまわりの祝祭」 藤原伊織

ひまわりの祝祭
てっきり女性かと思っていた藤原伊織の作品。


才能あるデザイナーであり、商業的にも成功していた秋山は、ある日突然妻が自殺をしてしまう。彼女は妊娠をしていたが、自分の子供ではなかった。本当の自殺の理由もわからないまま、今は貯金を取り崩しながら何もしない怠惰な生活だ。ところが数年後妻の遺品の中にゴッホの絵画があったかもしれないという話が出てきた。


原田といういつも冷静で言葉使いも丁寧、腕っ節も強いという漫画のキャラみたいなゲイの男性が出てくる。なかなか興味深いキャラクターだ。ほかにも新聞配達でなおかつ秋山のスパイをする青年やカジノのオーナー仁科、彼のもとで働く謎の美人、麻里(彼女もあとで大活躍)となかなか個性的だ。


そのゴッホの絵が最後はあんなことになるが、びっくりもしたが、あういう風にするのが一番真っ当な終わり方のような気もした。