「あ、うん」向田邦子

あ・うん (文春文庫)

あ・うん (文春文庫)


神社の狛犬のように仲のいい仙吉と門倉。
仙吉はつつましい月給暮らし、門倉は羽振りのいい中小企業の社長。
門倉は仙吉の妻に密かに想いを寄せている。
2人の厚い友情と妻を交えた微妙な三角関係を戦争に向かう世相を
交えて描く。


その本を読んで、もしかしたらドラマで見たかもと思い出した。
窪塚君が仙吉の娘の恋人役かなんかで出ていた気も・・
門倉は小林薫だったか!?


とうとう自分の気持ちを抑えられなくなりそうになり
門倉はわざと仙吉に嫌われるような言葉を吐き
絶縁するが、その後の仙吉と門倉の抜け殻ぶりが愛おしい。
そして現代だったら、こんなに切なくて深い話には
ならないのかもしれないと思いながら読んだ。
もっと安直に仙吉の妻と門倉は展開していまうかもしれないし、
少なくとも告白をして関係が変わっていってしまうだろう。
そして仙吉と門倉の熱い友情も戦争という背景がより絆を深めたということも
あるだろう。


以前朝日に「あ、うん」の書評のようなものが載ったが、あれを
もう一度読み返してみたい。