「夏の名残りの薔薇」 恩田陸

夏の名残りの薔薇
3人の老姉妹(衣芽子、未州子、丹伽子)がある時期になると毎年ホテルを貸切り、気に入った人を招待する。そこを訪れるのは、衣芽子の甥隆介とその妻桜子、その桜子と近親相姦の関係にある美貌の弟時光、丹伽子の娘で女優の瑞穂、マネージャーの早紀、カーディーラー、学者も加わり、ホテルでは毎夜姉妹による嘘とも本当ともつかない不思議な話が繰り広げられる。ある日古くからある大きな柱時計が音を立てて倒れ、中から出てきたのは・・・

なにが本当で何が嘘なのかわかりづらい展開のミステリーだ。話を進めるのに「去年マリエンバードで」の文が頻繁に差し込まれるのが、私にはちょっとわずらわしかった。