「陽気なギャングが地球を回す」伊坂幸太郎

陽気なギャングが地球を回す (ノン・ノベル)
公務員で嘘を見抜く名人の成瀬、天才スリの久遠、演説の名人で喫茶店をやっている饗野、精密な体内時計で必ず時間通りに車を走らせる紅一点の雪子の四人が銀行強盗を繰り返すがある日そのお金を横取りされ、トラブルに巻き込まれる。

いやあ、面白かった。最後の裏の書きあいのところはスリリングで、ドキドキさせられ、まんまと私も引っかかってしまった。私は登場人物の中では饗野が好きだった。あのちゃらそうなところが素敵。

成瀬の息子が自閉症なのだが、自閉症とは「人間のあいまいな部分が嫌いな性質」のことで「人よりも物事に敏感」なのだとあり、納得する。彼の息子はすべての犬の種類を知ってると思われるほどだったので、見かける犬の種類をすべて言い当てたが、雑種だといらいらする。自閉症は中枢神経の障害だそうだ。このあたりの話を読んで、どう対応すれば彼らが不安にならないですむのかのヒントがあった。