杮葺落六月大歌舞伎

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第二部を見に来る。

今回もまた雨が降ってきて、銀座の街を急いでいたら、私が株を持っている会社の

株主総会の看板を持って案内している人がいた。株主総会の季節なのね。

 

壽曽我対面

総奉行就任を祝う工藤祐経仁左衛門)のもとに、彼を親の仇とする曽我十郎

菊之助)と五郎(海老蔵)の兄弟がやってきて仇を討とうとする。彼を

討とうと逸る兄弟に紛失している源氏の重宝「友切」の捜索こそが重要と説き

工藤は巻狩りの奉行職を果たしたうえで彼らに討たれようと巻狩りの切手を

渡す。

 

仁左衛門さんは悪役だが悪い悪役ではないので顔は赤ではなく白になっていると

音声ガイドが言っていた。確かにかっこいいお奉行さまで、立ち姿も凛として

とても決まっている。美しい!

孝太郎の声が思いのほか大きくはっきりと響いていてよかったのだが、

海老蔵の声に関してはツイッターなどで不評だったため、心して行ったが

やはりかなりききずらかった。あれは役作りあんな風にやっているのだろうか?

常に裏声状態だった。他の作品でもそうなのかな?

彼の舞台は見たことがなかっただろうか?

他に七之助や愛之助も出ていた。今度は愛之助の舞台も見てみたい。

 

土蜘

土蜘といえば、ゴダイゴのように糸をぱーっと広げる舞台になるので

面白そうと思ったのだが、もともとは能の作品らしく、この作品もそれに

則って、能の決まりごともかなり取り入れられていた。

 

お話しは重病の源頼光吉右衛門)のもとに僧(菊五郎)が訪れ祈念を申し出る。

しかし火影に映る彼の影から土蜘の精の正体を顕し消え失せる。

保昌(三津五郎)は土蜘退治を命じられる。

 

不気味な僧の菊五郎は花道に気配もなく現れる。

それはあまりに突然に現れ、はっとするほどだ。普通だったら、大向こうからの

掛け声がかかるところだろうが、その声がなかったことが理由とも思われ、

舞台演出のために声掛けは遠慮しているのかとも思った。

 

能の決まりごともかなりなぞっているので、音声ガイドも話しっぱなしだ。

はっきり言ってガイドがなかったら訳が分からなかったくらいだ。

踊りも中心で、見せる舞台なのだが、私は踊り中心の舞台は昔から

あまり好きではなかったと思い出す。

 

土蜘の糸もゴダイゴのように両手に複数持ってはでにぱーっとやるかと思ったらもっとこじんまりとしていて、ゴダイゴの勝ち!

 

先月の千穐楽ではお元気そうと思った仁左衛門さんだったが、

孝太郎のブログによると、最後のあたりは体調が

よくなかったそうだ。また体調を崩されて降板されたら

どうしようと心配だったが、無事にでてくださってよかった。