「若沖と江戸絵画展」 東京国立博物館

江戸絵画には興味がまったくなかったが、雑誌で若沖の特集を見たりしていたのに加え、友達が行って面白かったというので行ってみたが、大変満足した。


屏風なんて丸きり興味なかったが、季節が右から動いていく様や、二つの屏風で春夏、秋冬を描き分けたり、趣があってとてもいいと思えた。


若沖の作品は思ったよりも少なくちょっと拍子抜け。「鳥獣花木図屏風」もモダンアート然としすぎて、期待が大きすぎだのか「ふ〜ん」て感じだったが、むしろ「江戸琳派」の作品がとても美しく魅入ってしまった。


12ヶ月分の花鳥風月を一月一枚づつ綴ったものや、左右入れ替えても絵がつながる「源氏物語図屏風」、白い象と黒い牛が巨大な屏風いっぱいに描かれている「白象黒牛図屏風」、四季の花々の上に歌人と和歌が貼られている「四季草花図・三十六歌仙図色紙貼交屏風」。


今回はプライスコレクションが集められているのだが、彼が日本画は光で見るというポリシーのため、最後のコーナーは、屏風にさまざまな光を当てて、違って見える印象を楽しむ。黒に統一されたとてもスタイリッシュな展示の仕方に光が効果的に当てられ、日本の美術館というよりとても西洋的なライトと作品の美しさで感動した。女の幽霊の絵など光の加減でぞっとするような浮き出し方をしている。


目利きのプライス氏のコレクションはとてもすばらしく、個人のものとしてはとてももったいない。いつかは美術館を作って作品を展示してほしいな〜。


来るたびに「まるで新興宗教の建物みたい」と思う博物館だが、今回は平常展も駆け足で見たところ、庭の緑が見渡せる大きな窓のあるコーナーや、室内の古い内装も美しいところがありちょっとうれしくなって帰ってきた。