映画「愛と哀しみのボレロ」

 

愛と哀しみのボレロ Blu-ray

愛と哀しみのボレロ Blu-ray

 

 ダンス映画かと思っていたら、大河のような映画だった。

 

スタートはボレロから始まるのだが、オーデションのような場所で

女の子がふたりで踊るのも美しい。

ボレロをピアノの編曲で演奏されるのもとてもよかった。

 

戦争時のヨーロッパが主な舞台なので、どうしてもユダヤ人狩り

ついてまわる。他の映画でも見たことがあるが、ドイツ人が学校に来て

子供たちのズボンを脱がせ割礼をしている子ども探すシーンもある。

そしてそれをかばう先生たち。

どうしてユダヤ人だけがこんな目にあうのだろうかと

やはり考えてしまう。

 

その後戦争が終わりアウシュビッツから帰った時のフランスの駅で

ひっきりなしにアナウンスが流れ、お迎えの人はどこへとか

身寄りがない人はどこへとかすごくオーガナイズされていて

びっくりした。案内もいてすごい。

 

アメリカではやはり他人事なのだが、そんな中でも戦争に

出かけて行って亡くなっている人もいる。

それも必ずしも戦闘でというより、パラシュートで落ちてとか

そんな理由だったりする。

 

フランス人女性でも生きていくためにドイツ人たちと付き合っていた人は

戦後みんなのいじめにあったりさらされたりすごく悲惨で悲しい。

 

すごく長い映画だったので不安だったが最後まで興味深く見れた。

 

ボレロは唯一好きなダンスだ。

バレエでも物語がある演劇要素の高い作品が好きで、踊りを見せるものは

好きではない私だが、この作品だけはすごく惹かれる。

また舞台でボレロが見たい。

 

 

 

「不時着する流星たち」 小川洋子

 

 

不時着する流星たち

不時着する流星たち

 

 実在の人物をモチーフにした短編集。

グレン・グールドも入っていたので興味をもって読み始めたのだが

この本では私好きする話がないと読み進んでいたが、

「肉詰めピーマンとマットレス」は最初から最後まで

ノスタルジックで心がじんとしびれるような話だった。

 

主人公の女性が息子の住むスペインを訪れる話。

子供だと思っていた彼はそんなに長くいるわけでもないのに

現地の言葉も繰り、何も知らない母のために現地の手引きを

手作りで書いてくれておりそのやさしさにも涙。

その大切にしていた手引きを近所でなくし慌てて探しにいくが

見つからない。

回想で子供時代に幼稚園のお迎えが遅れた時に

「おめめに、嵐がきたよ」と母の顔を見るなり目じりにたまった

涙を震わせ濡れたまつ毛で瞬きをしたという様子も

その描写だけですっかり母の気分で涙。

 

大きな事件がなく、淡々と日常の風景が描かれているのだが

ずっと肌触りのいい柔らかい毛布に包まれているような

気分になる話だった。

 

映画「女神の見えざる手」

ロビイストというと日本ではいまいちピンとこないのだが、映画を見ていると

理解できる。アメリカでは大活躍だ。

 

主人公の女性はすごくきれるロビイストで、最初は一流企業に

働いているのだが、自分の信念のため転職する。

彼女の手段を択ばず目的達成に全力を向けるのはすごい。

会話も早口で難しい話をしているので最初はついていくのも大変。

大手の企業に圧力をかけられたり仲間と険悪になったり、

精神的にも追い込まれたりといろいろと困難があり、

最後まで飽きさせない。

 

内容が分かったうえでもう一度見返して復習したいと思う映画だ。

「不発弾」 相場英雄

 

不発弾

不発弾

 

 朝日の書評で興味を持った。

 

巨大企業の粉飾決算を探っている捜査二課小堀がたどっていくと

古賀というコンサルタントに行きつく。

 

最近WOWOWで山一の最後を描いた「しんがり」とか

見たばかりだったし、「飛ばし」とかだんだんとなじみのある

言葉になってきたもののやはりわかったようなわからないような。

そしてあまりに各企業の隠蔽先延ばし主義にも驚く。

そして投資で損を出したり、「飛ばし」をしていた人達は

うまく逃げ切り、最後につけを払うのは真面目に働いていた底辺の

一般社員という。

 

この小説に出てくる企業は現実の話をモチーフにしているのか

「あれか」「これね」的にわかるんのだが、この話って

どの程度事実なんだろうと気になったりして・・

 

そして不良債権にまみれた日本の企業が外資に食い物に

されたりしていたというのもリアルだよな。

 

最後の終わり方も勧善懲悪なハッピーエンドというわけでは

ないところもカタルシスを感じていい。

 

また経済小説読んでみたい。

 

 

「N響オーチャード定期第96回」 オーチャードホール

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文化村に二日連続で出勤。

今日はN響だ。

 

指揮 ダレル・アン

ピアノ ゲルハルト・オピッツ

コンマス 伊藤亮太郎

 

ベートーベン ピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73「皇帝」

ムソルグスキーラヴェル編) 組曲展覧会の絵

 

シーズンチケットを買っているのだが、今回から場所が変わった。

より中央に近い席のせいか音がよく聞こえた。

展覧会の絵」はよくコンサートで演奏される曲だが、

人気あるのかな?なんて思っていたが、今日は華やかで面白く感じた。

これはラヴェル編だったためか、指揮者がよかったのか不明だ。

 

「男尊女子」 酒井順子

 

男尊女子

男尊女子

 

 いつもフェアで冷静に物事を見て面白おかしく書く彼女だが

今回もどちらかに偏らず、自分も冷静に判断していて面白い。

 

いまだに女性が男性を立てるようなそぶりを見せるのも

いろいろなことをさせられるのは面倒だから、楽したいからというのが

根底にあることは理解できた。確かに仕事でもその他大勢で

言われていることだけやっている方が楽だしな~

高キャリア、高収入、高身長の女性が自分よりすべてが下の男性に

プライベートでは頼り切ったりするのも理解できる。

普段は自分で決めて気を張っているからprivateでは楽したいのだ。

でもこれは女性だけではなく、地位の高い責任の重い仕事についている

人がSMで女王様にいじめられるのが好きだったりするのも同じで

普段はいつも決めて指示しているからたまには言われるがままに

従いたいという欲求なのだろう。

何かの本で人間が一日に決められることはある程度数が決まっていると

あったが、仕事でいろいろ決めている人は私生活では決めることが面倒なのかも。

 

1970年代末のイラン革命前は親米で自由を謳歌していた女性たちが

革命後のがちがちイスラム国家になった後は驚くほど自由が奪わてしまう。

「時計は戻そうと思えば戻すことができる」とこの件で知ったという

著者の言葉にびっくりした。

一度勝ち得たものは戻るはずがないと思っていたが、どうやら想像以上に

簡単に時計を戻すことができるのは衝撃的だ。

 

日本でも女性の地位が上がったり、自立したり、揺り戻したりしているが

あまり当たり前と思ってはいけないのかもしれない。

「いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画」 原田マハ

 

 原田マハの名画にまつわるエッセイ。

いくつかは小説となっているが、他の作品もゆくゆくは小説として

花開くのだろう。

クリムトの「アデーレ」もあったのだが、映画を見た時には、

なんだか無名の美術館に売ったのかと思っていたが

どうやら「ノイエ・ガレリエ」は19世紀末から20世紀初頭のオーストリア、ドイツの

美術品を収集しており、いついっても長蛇の列らしい。

そしてアデーレを買ったロナルド・ローダーはただのエスティ・ローダー一族の

金持ち男かと思っていたが駐オーストリアアメリカ大使もあり

ナチスの略奪事件の査問委員会に所属もしていたらしいと知った。

扉に各名画のカラー写真が掲示してあるのでそれを見ながら楽しめる。