宮部みゆきも推薦していたらしく興味を持った。
捏造があった?
歴史ノンフィクションらしい。
なかなかせこいシンドラーの様子がこれでもかと書かれているのだが
彼は彼でそれなりに成功しているようなのもすごい。
リストも出てくるのだが彼は華麗な人生を送っていたのかと思ったら
ベートーヴェンに頼まれるくらいの名手だったというのも
知れて興味深かった。
そしてベートーヴェンってこんな一生だったのねとも知れたし。
内容は柔らかそうなのに意外に科学している本。
「合う」をテーマに複数の学者が各章を書いている。
赤ちゃんの視力は生まれてすぐには0.02程度しかないということや
赤ちゃんの笑顔は生理的微笑という筋肉の動きというのは驚きだ。
その微笑により養育者や親は喜びを感じ可愛いという感情が出てきて世話をする。
目の話も興味深い。「相手に見られることによって認知や行動が変化する」
人間の目の写真などが貼ってあると悪いことをしにくい傾向になるなどの話は
「華麗なるギャツビー」の映画を思い出す。
でも多数の人がいる場面では偽物の目の効果は薄いらしいが。
すでに多くの目にさらされているから視線の効果が薄くなるのだろうとのことらしい。
評価の話もおもしろい。他者の評価を見て自分の評価を変えることについて。
他者に合わせて自分の評価を動かした時の脳の活動は美味しいものを食べたり
お金をもらったりといった報酬の処理に関わるとされる脳の反応があるそうだ。
流行るものがますます流行るというのはこの傾向によるのだろうか?
人は自分を少し過大評価し、少し個性的と思いながらも極端な少数派に
なるのは嫌がる傾向にあるようだ。
(重度でない)うつ病の人は世界の認識がより「正確」で、うつ病でない健康な人は
世界を「ポジティブに」歪んで認識しているという報告があるそうだ。
自分はそこそこやれているというポジティブ幻想が持てなくなる時に
人は精神的な健康を保てなくなるのかもというのは納得。
ジュリエット・ビノシュが綺麗で色っぽい。
市長の秘書をやっている女性はおしゃれだったが基本的に
村の女性たちは色も地味で冴えない格好、靴も黒だがその中でビノシュは
カラフルで赤のパンプスを履いていたりする。必ずウエストが絞られた
シルエットがポイントだ。
昔らしく女性蔑視なシーンもあり辛い内容もありつつ最後はハッピーエンドで
良かった。