「君の膵臓をたべたい」 住野よる

 

君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたい

 

 こんな猟奇的なタイトルにも関わらずさわやか青春涙のラブストーリーだ。

それでも興味なしと思っていたが、とてもそんな本を読んで感動するように

見えないおじさん(りりーさん?か誰か)が、思いがけず最後は

嗚咽しながら読んだと聞いて俄然興味がわいてきた。

 

すごく明るく人懐こいみんなの人気者の女の子が、さえない引きこもり系の

男の子をかまってくる。しかも男の子が邪険にしても気にせず

どんどんと来る人懐こさは全男子のあこがれすぎるシチュエーションだ。

 

ひねくれていた男の子(でも草舟なみにふわふわ)もだんだんと

彼女との日々が心地よく楽しくなる。今まで友達もいなくて

他人との時間の共有する思い出もないままいた彼には驚きの日々だ。

でもその日々には確実に終わりが見えている。

 

まっすぐな女の子の気持ちと男の子の気持ちがいじらしくて

すがすがしい。

主人公の子たちと同年代の子もさることながら、その親世代も

感動できる本だろう。